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割り算 In this Site考え方
3÷4 と 4÷3 の答えは違う。違う理由は、演算子(÷)の前後で作用が変わるから。この違いは足し算や掛け算にはない。引き算にはある。前後を入れ替えて結果が異なるのには、入れ替えられない理由がある。割られる数と割る数の意味が違うという事でもある。それは基準となるものがあって動かせないという事でもある。
足し算、掛け算にするとその意味が消えて入れ替えられるようになるというお話。
要約
分数だけでなく全ての割り算はひっくり返して掛けることができる。3 ÷ 4 の場合。
- 3 を 4 等分した時の値を求める。
- 3 の中に 4 が幾つあるかの値を求める。
- 4 を基準(1とする)とした時の 3 の値を求める。
本文
6 ÷ (1/4) 。 6 を 4 分の 1 で割るとはどういうことか。これを答えを求める手順ではなく概念で説明しようとするとなかなか難しい。まず林檎を 6 つ用意する(リンゴでなくても可)。
まずは掛け算で考える
6 を 4 倍するというのはどちらかというと簡単な考え方で 6 を 1 つのグループとして 4 倍する感じ。6 人で班を作ったら 4 班できました。全員で何人いるでしょう、という問題に置き換えることが出来る。6 * 4 = 24
整数同士の割り算を考える
6 を 4 で割るというのも分かりやすい。6 ÷ 4 とは、6 を一つのグループとしてこれを 4 つに分ける。例えば 6 人を 4 人に分けるとする。まぁ、4 人の食人族に捕まったと思えばいい。すると 4 人に一人づつ分けて、2 人が余った。6 ÷ 4 = 1 余り 2
割り算を引き算で考えてみる
割り算は引き算でも求められる。6 ÷ 4 なら、6 - 4 = 1 余り 2
6 から 4 を引けば、1 回引けて 2 つ余る。これで 4 人の食人族は 一人ずつを家に持ち帰ろれる。所で余った二人をどうしようか。
一人が閃いた。二人を 4 つにバラしちゃえばいいんだよ、と。
分数の登場
これが分数の登場にある。数式で表現すれば次のような式だ。これは一人当たりの取り分を意味する。6 ÷ 4 = 6/4 = 3/2 = 1 (1/2)
さてこの 2 分の 1 とは何であろうか?この値が余りの 2 から生み出された数字である事は間違いはない。この 2 は余り 2 から来たもので、 4 を引いたら 2 が余った。その 2 を更に 4 つに分けたら (1/2) になったという話になる。これは別の考え方をすれば、4 の (1/2) にあたる数は 2 という意味でもある。
2 ÷ 4 = (1/2)
所で 1 (1/2) という数字だけを見ると最初にあった 4 という数字は消えてなくなっている。1 (1/2) からだけではどうしても元の数である 4 は求める事ができない。1 (1/2) * 4 として初めて (1/2) は 2 を元にして求められた値だと理解できる。
これは次のように言い変える事ができる。ここに半分の体がある (1/2)。これが何人 (2) をばらばらにした結果の半分 (1/2) かは分からない。しかし、半分の体を数えれて(4)個あれば、何人がバラバラにされたのが分かる(2人)。
閑話休題、さあこの 2 人を 4 つにバラしちまおう。
2 ÷ 4 = 2/4 = 1/2
こうして 4 人はそのまま連れていかれ、残りの二人は半分づつに切られて彼らの家族のもとへと持って帰られたのだ。
6 ÷ 4 = 1 (1/2)
こうしてみると、割り算を引き算で表現するやり方ではそれ以上引けなくなった時にその先を考えるのがちょっと難しい。その点で割り算ならば分数や小数点の形で求められるので考えやすい。
分数の掛け算
さて分数の割り算の前に 6 * (4 分の 1) について考えてみる。6 を一つのグループとして 4 分の 1 倍にする。4 分の 1 倍にするとは、4 つに分けたそのうちの一つ分という意味になる。掛け算の話なのに、なぜか「分ける」という言葉が出てきた。掛け算なのに割り算なのだろうか。
実は 6 * (4 分の 1)は、6 ÷ 4 に等しい。または 6 * 0.25 と書くこともできる。掛け算と割り算は実は同じと考えられそうだ。特に分数のある掛け算は、割り算でもあるようだ。ところで、どのような数字でも分数で表現することができる。5 なら (5/1) だし、7 なら (7/1) お好みによれば (14/2) でもいい。
すると、掛け算はすべて分数の掛け算と考えて良さそうに思える。
文法の発見
掛け算はすべて分数の形で書くことができる。
分数の割り算
さて 6 ÷ ( 4 分の 1 ) である。式としては分数の割り算だからこういう形になるのに不思議はない。だがこれがどういう概念かが不思議だ。1/4 倍にするは理解できても、1/4 で割るは説明しにくい。
6 人が 4 人の食人族に捕まりました、そこで 4 分の 1 に別けようとしています。どうすればいいですか?6 を ( 4 分の 1 ) で割るためにはどういうオペレーションをすればいいだろうか。
分数についてもういちど考える
1 ÷ 4 は 1 を 4 つに分ける事だった。では ( 1 ÷ 4 ) で 1 を割ってみようと考えるのに不思議はない。でも、それはどういう事がしたいのだろうか。これを式にすれば
1 ÷ ( 1 ÷ 4 ) = 1 ÷ (1/4)
1 を 4 で割るとは 4 つに分ける事であった。では 4 分の 1 で分けるとは?結局、割り算の意味を考えるとは分数の意味を考えるのと同じだ。分数とは何だろうかと考るのに等しい。
ちなみに英語では少数・分数を次のように表現する。
数字 | 読み方 |
---|---|
3.14 | three point one four |
3.05 | three point oh(zero) five |
1/4 | a quarter(one fourth) |
2/3 | two thirds |
41/5 | forty one over(by) five |
英語では 41 は 5 を over している、または by している。日本語では 5 分の 41 は 5 つに分けたものを 41 倍するという感じがする。
41/5 = 41 * (1/5)
41 by 5 と英語で言う場合、これを後ろから意味を取れば、5 による 41 と訳せる。これをもう少し考えるならば、 5 を基準とした時の 41 の大きさとも理解できる。
分数を次のように考えてみる。5/4 の場合。
イ.(1/4) を 5 倍にした数。
ロ.4 が 5 の中に何個あるかの数。
ハ.4 を 1 という基準にしたときの 5 の数。
分数の割り算の意味
分数について考えながら、一度分数の割り算に戻る。6 ÷ (1/4) を前にある三通りで言い換えてみる。イ.( 4 分の 1 ) を 6 倍にした数。
ロ.( 4 分の 1 ) が 6 の中に何個あるかの数。
ハ.( 4 分の 1 ) を 1 という基準にしたときの 6 の数。
それぞれは、
イ.ある数を何倍かにしたもの。
ロ.ある数が何個あるかを調べたもの。
ハ.ある数を基準としたときの大きさ。
文法の再発見
割り算とは、
後ろの数(割る方の数)が前の数を何個に分けられるかを求める事。
後ろの数(割る方の数)が前の数の中に何個あるかを求める事。
後ろの数(割る方の数)を1とした時の前の数の大きさの比率を求める事。
例えば、1 ÷ 4 は次のように考えられる。
- 1 を 4 つに別けると何個になるか
- 1 は 4 の何個分であるか
- 1 の中に 4 は何個あるか
6 ÷ (1/4) はどういう事か。6 の中に 1/4 は何個あるか、を問うている事になる。食人族は考えた、一人を 4 等分して 4 家族に分け与えるとしたら、6 人だと何家族分あるんだろうか、と。
分数の登場により割り算を"分ける" と考えるだけでは超えにくい壁が出現する。掛け算は、頭の数が、何倍になるかと理解するだけでよい。掛け算の場合、順序を逆にしても答えは同じになる。しかし、割り算は、後ろの数にも意味がある。幾つかの考え方があって、前の数を〇〇する、という考え方だけでは意味不明に陥る。その時には後ろの数を基準として考えてみる。頭の数は後ろの数の何倍であるか?を求めるのが割り算である、というように。
6 のなかに (1/4) は何個あるか?
4 | * 2 | = 8 | 4 を 2 倍すると幾つになるか? |
4 | / 2 | = 2 | 4 は 2 を何倍すると得られる数か? |
ひっくり返して掛ける理由
6 ÷ ( 4 分の 1 ) は ( 4 分の 1 ) を基準としたときに 6 はその何倍であるかと考えてもいい。1 に ( 4 分の 1 ) は 4 つあるので、4 を 6 倍したもの(6 * 1 ÷ (1/4))が答え。
これで後ろの数をひっくり返して掛ければ答えが出ると言う解き方と同じになった。 割り算は (1÷)の部分が省略されていると考える。分数の掛け算を書くのが面倒くさいので÷という記号を使っている、と考える。
1 ÷ 4 は 4 を引っ繰り返して 1 * (1/4) に等しい。
1 ÷ (1/4) は 1/4 を引っ繰り返して 1*4 に等しい。
両辺に同じ数字を掛けて求める。
y = 6÷(1/4)
両辺に同じ値を掛けても等号は変わらないので(1/4)を掛ける。
y*(1/4) = 6÷(1/4)*(1/4) = 6
両辺に4を掛ける。
y*(1/4)*4 = 6 * 4
y*1 = 6 * 4
6を6×1にしてから求める。
y = 6÷(1/4) = 6*1÷(1/4)
1÷(1/4) は 1 の中に 1/4 が 4 つあるので。
y = 6 * 4
後ろの数を基準とする割り算は、順序を逆に出来ない。
1 ÷ 4 = (1/4) | 4 ÷ 1 = 4 | 答えが違う |
1 * 4 = 4 | 4 * 1 = 4 | 同じ答え |
割り算は引き算に似ている。
1 - 5 = -4 | 5 - 1 = 4 | 答えが違う |
1 + 5 = 6 | 5 + 1 = 6 | 同じ答え |
+ * は順不同であるが - ÷ は順序に意味がある。ただし、- ÷ は、以下のように変換して順不同の形に出来る。
引き算の場合は、符号をもった足し算にする。
1 - 5 = -4 | 5 - 1 = 4 | 答えが違う |
1 + (-5) = -4 | (-5) + 1 = -4 | 同じ答え |
割り算はひとつの分数にして掛け算の形にする。
3 ÷ 4 = (3/4) | 4 ÷ 3 = (4/3) | 答えが違う |
3 * (1/4) = (3/4) | (1/4) * 3 = (3/4) | 同じ答え |
なぜ割り算はひっくり返して掛けるかと言えば、そうすれば答えが出てくるからではなく、ひっくり返して掛け算にすれば順不同に出来るからという方が正しいのかも知れない。
逆に、こういう言い方が出来るかも知れない。これらの数式は、数字という集合に対して、ひっくり返しても掛けても結果が変わらないと取り決めたから成立している。もしひっくり返したら答えが変わる数字の集合があればこの考え方は通用しない。
割り算を引き算で求め切れるか
しかし、ひっくり返して求めるなど邪道の極み、中央突破をしたい、王道を行きたい人もいるだろう。そういう人は引き算で計算して答えを求めるのがいい。6 ÷ ( 4 分の 1 ) は 4 分の 1 を単位としたときの個数を求める事なので引き算する。
6 という数字を ( 4 分の 1 ) づつ引いて行く。6 - ( 4 分の 1) ⇒ 5 ( 4 分の 3 ) - ( 4 分の 1) ⇒ 5 ( 4 分の 2 ) - ( 4 分の 1 )・・・これが 0 になるまで繰り返す。その時の回数が求めるべき答えとなる。
余りが出た時は、その余りが基準の何個分であるかを計算する。
2 ÷ ( 4 分の 3 ) の場合。
2 - ( 4 分の 3 ) ⇒ 1 ( 4 分の 1 ) - ( 4 分の 3 ) ⇒ ( 4 分の 2) ⇒ ( 2 分の 1)
( 2 分の 1 ) は ( 4 分の 3 ) の何個分であるか? (1/2)÷(3/4) を計算する (2/3) 。しかしこれを引き算で求めるのは引いて 0 にする方法がないので難しい。
割り算を引き算で計算するのはとても大変である。しかも数が小さくなって引けなくなるとその先の計算が出来なくなる。これと比べれば割り算を掛け算にして計算するのはとても簡単だ。引き算からは分数は生まれないからである。
2 ÷ (3/4) = 2 * (4/3) = 8/3 = 2 (2/3)
ひっくり返して掛ける理由 その2
数字には次の性質がある。- 同じ数で割れば答えは1。(5÷5=1)
- 逆数を掛ければ答えは1。(5☓1/5=1)
- 1を掛けても答えは変わらない。(5*1=5)
分数の割り算を1にするように式を変形する。
6 ÷ ( 4 分の 1 )
( 4 分の 1 ) を ( 4 分の 1 ) で割るように式を変形する。
6 ☓ □ ☓ ( 4 分の 1 ) ÷ ( 4 分の 1 )
すると、( 4 分の 1 ) ÷ ( 4 分の 1 ) は 1 になるので、
6 ☓ □ ☓ 1 = 6 ☓ □
□の中に入る数字は
□ ☓ ( 4 分の 1 ) = 1
の性質を持てばいい。
つまり□には逆数を入れればいい。
( 4 分の 1 ) の逆数は 4 なので □ は 4。
6 ÷ ( 4 分の 1 ) =
6 ☓ 4 ☓ ( 4 分の 1 ) ÷ ( 4 分の 1 ) =
6 ☓ 4 ☓ 1 =
24
閑話休題
ちなみに割り算は 0 で割れない。6 ÷ 0 は 6 * (0/0) だから 0 ではないか、という話はある。では 6 個のリンゴがある。これを 0 人で分けると一人何個か。6 は 0 の何倍であるか、6 に 0 が何個あるかを求めてみよう。
つまり、0 に何を掛けたら 6 になるかを求めるのである。
無限という数でさえ 0 を掛けたら 0 になる。未だに求められていない π でさえ 0 を掛けたら 0 になる。これは凄い事のような気がする。これが 0 の特殊性であって何を掛けようとも 0 という時点で他の数とは違う性質を持っている。0 に何を掛けても 6 にはならない。そんな数字はない。だから数学では 0 除算は禁止している。
では 0 * ? = 6 の解をマジックナンバーを創設して解決してみたらどうなるんだろう。虚数 (imaginary number) があるくらいだからやってみよう。
0 * 6m = 6 とする。すると、0 = 6 ÷ 6m になる。
さらに、6 ÷ 0 = 6 ÷ ( 6 ÷ 6m ) となり
6 * (6m/6) = 6m
ところで 0 はどんな値でも取りうるので ( 6 ÷ 6m ) = (7 ÷ 7m ) となる。すると、6 ÷ 0 = 6 ÷ ( 7 ÷ 7m ) となり 6 * ( 7m / 7 ) = 42m / 7 = 6m で成立する。
はて ( 6 ÷ 7m ) はどんな数字になるのだろう?
Wheel と呼ばれる零除算を可能とする代数系がある。環論(Ring Theory)と関係するらしいが、これだって算数からの遠い延長にある。
ところで 0 はどんな値でも取りうるので ( 6 ÷ 6m ) = (7 ÷ 7m ) となる。
返信削除の意味がわかりません。
7以外でも良いのですか?
7以外でも何でもいいというつもりで書きました。
削除( 6 ÷ 6m ) = (7 ÷ 7m ) = (N ÷ Nm) = 0 のつもりです。
矛盾があるかも知れません。
宜しくお願い致します
返信削除ご返信有り難うございました。
削除最後にお聞きしたいのですが、おっしゃっている「矛盾があるかもしれません」とはどういう矛盾なのでしょうか?
なんらかの矛盾が存在するかも知れないが、どんな矛盾かは自分でもよく分からないという意味になります。
削除何度もご返信くださり、有り難うございます。ごめんなさい、もう1つだけ。「何らかの矛盾が存在するかもしれないが」と、おっしゃっているのは、(6➗6m)=(7➗7m)=(N➗Nm)=0
削除の理論に対しておっしゃっているのですか、もしくは、なぜかけ算は逆数をかけるのか?に対しての nanorisの理論に対してですか?そこが(私達が)重要だなと思ったもので。宜しくお願い致します。
矛盾というのは...=(N➗Nm)=0に関する部分です。
削除ご返信有り難うございました。
削除なぜ逆数をかけるのか・・・のご理論は興味深く拝読させて頂きました。他の投稿も楽しみにしております。