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2017年3月17日金曜日

分数の割り算をひっくり返して掛ける理由

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はじめに

2202 を見た帰りに、分数をひっくり返して掛ける理由を小学生にどう教えたら良いかを話題にした。

知っておきたい知識

割り算と分数は同じ。
3÷5
分数は約分できる。

15
3×3
3×5

×
×

1は色々な分数にできる。


12354
12354
分数を1にする分数がある(約分の性質を利用する)。

×
3×5
5×3

引き算で求める


10÷5 は 10-5=5, 5-5=0 と二回引いたら 0 になるので答えは 2 である。5+5=10と書いたとき、5 が 2 つ登場するのもそうだし、5*2=10と掛けるときに 2 が登場するのも関連している。

では 10 ÷ (1/2) はどうか?

同じように 10 から 1/2 を引き続ける。すると 20 回引いたところで 0 になるので答えは 20 である。
10 - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2) - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2)  - (1/2) - (1/2) = 0 

これは (1/2) が 10 の中に 20 回登場したという話である。
  1. 20 の中に (1/2) は 20 個ある。
  2. 20 から (1/2) を引き続ければ 20 回で 0 になる。
  3. (1/2) を 20 回足せば 10 になる。
  4. (1/2) に 20 を掛ければ 10 になる。

考え方

ところで 10 ÷ (1/2) を計算するとき 1 の中に (1/2) が何個あるかを求めて、それを 10 倍しても同じである。
10 ÷
10 × ÷

1÷(1/2) は 1-(1/2)-(1/2)=0 なので答えは 2 である。よって 10 ÷ (1/2) は 10 * (1÷(1/2)) = 10 * 2 = 20 と計算できることがわかる。ひっくり返すとは 1 で割った数にすると同じである。

分数の割り算の一般的な形

分数の割り算は、次のように式を変えれば良い。
÷
× ÷
分数の割り算とは 1 を分数で割る事と同じである。

または次の式でもよい。
÷
×
×
÷
分数の割り算とは分数に逆数を掛ける形(逆元)に変形する事である。

1 の中に幾つあるか

1÷3 の答えは、それに 3 を掛けて 1 になる数と同じである。
1÷3 = 
1 = ×3

1÷(4/5) を求める

両辺に同じ数を掛けても、等式は変わらないという性質がある(両辺の値は変わるが等しいという関係性は変わらない)。

両辺に (4/5) を掛ける。


×
×
通分されて左辺が1になる。



×
両辺に (5/4) を掛ける。
×
×
×
(4/5)×(5/4) は 1。


掛け算を使って求める

1 = ×(4/5) から求める。
両辺に 5 を掛ける。

××
×
両辺を 4 で割る。

÷
×÷

なぜ掛け算がよいか。

引き算、割り算では位置が重要である。-÷の左右を入れ替えると同じ答えにならない。
3-5 と 5-3 は同じ答えではない。
3÷5 と 5÷3 は同じ答えではない。

これを足し算、掛け算の形にすると左右を入れ替える事ができる。
3+(-5) と (-5)+3 は同じ答え。
3×(1÷5) と (1÷5)×3 は同じ答え。

これが式を扱う時に式を簡単にする点で重要である。

分数を1にする分数がない場合

割る数が0の場合は除く。0を1にする分数が存在しないから。

×
0×5
5×?

一般的に0除算は禁止。0除算の答えは0ではない。