海辺の昼下がり、珪藻類がおしゃべりしている。
「石油つくるのに二億年かかったよなぁ~」
「石炭は、三億年だぜ」
「それをたった200年で使いきりやがって」
「ほんとだよな、それで月に行ったくらいだかんな」
「ちょっと、いまいちじゃね?」
「うん、いまいちだね」
「でも、ここ50年くらいはけっこう良い感じだと思うがな」
「おりゃ、最初に火薬が爆発したのを見たときにゃ、500年もすりゃ宇宙に行けるかと思ったがなぁ」
「ああ、ありゃ、すごかったな」
「しかし、そのあとは期待ほどじゃなかったね」
「だね、よくなったのはここ最近だもんね」
「あの飛行機ばんばん飛ばしてた頃だよね。船と飛行機ぶつけたりして、ありゃ何かの実験だったんかな」
「わかんね、でも日の玉が光ったのは太陽みたいだって聞いたことあるな」
「あの後から良くなってきたから、あれが何か大切なんだって考えるのが妥当」
「あいつら好き勝手なことばかりするよな」
「ま、宇宙に行けるんなら、仲間が少々いなくなっても我慢するがな」
「そういえば、一番遠くにいったやつは太陽系を飛び出したらしいよ」
「おれの知り合いが飛び乗ったよ、あれに」
「まじ?いつ?」
「発射直後。煙がもうもうとなるのに乗って飛び込んだんだって」
「おおお!それはすごい、すごいぞ、それは。我々の生命圏を広げているんだ!」
「あいつ希望に燃えてたけど、新しい星にたどりつけれるかな?」
「祈るしかないね、5000万年くらいかな」
「最近のは地球のまわりをくるくる回るだけだね」
「ま、そうは言わないでやってくれ」
「月に基地作る話もあるらしいし、期待しようぜ」
「そういやこのまえ7年ぶりに帰ってきたやつ、いなかったけ」
「あ、いたね。落下した所にそのまま住み着いて旅行記書いてるって聞いたな」
「あれは、あれで、快挙じゃね?」
「そーか?あいつらってかなりの期待外れだぜ」
「うん、かなり馬鹿」
「でも、あいつらしかロケット作れねぇし」
「おれたち、この星から飛び出せるのかな?」
「とりあえず、俺たちがどんだけ頑張っても生き物単体では宇宙にはいけんからな」
「うん、空飛ぶのがやっとだったもんな」
「いくら冷凍した後に復活できる体っても、飛び出せないことにはな」
「あいつは、この星が飛び散った時の緊急時用さ、俺らのプチ宇宙船だ」
「そう考えると、なんとか人間には宇宙へいく手段を作ってもらわんとな」
「あと50億年」
「それまでに宇宙に出れなきゃ、死ぬしかないもんな」
「38億年生きてきたからもう半分きてるな」
「人間でいうとこの40歳ってとこだな」
「あんまり時間があるってわけじゃないな」
「とりあえず、どーする?」
「もう少し待ってみようぜ」
「だな、それで宇宙に行けるようになればもうけもんだしな」
「駄目ならやりなおせばいいさ」
「だが、もう一回5億年待つのもちょっとなぁ」
「ちょっと時間がないかもしれんな」
「とりあえず、1000年くらいでどうだ?」
「だな、それくらいでできなきゃ、あいつらにゃ無理だな」
「そんときは、腸内にいる仲間に連絡してやっちまおう」
「だな」
「じゃ、とりあえず日向ぼっこしながら待ってようか」
「んだんだ」
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