そこで主(総務省)は仰せられた。
「読売新聞と朝日新聞の記事は非常に醜く、また彼らの罪はきわめて重い。 わたしは下って行って、わたしに届いた叫びどおりに、彼らの記事が実際にクズだらけであるかを読んでみよう。わたしは知りたいのだ。」
囲碁ファンは近づいて申し上げた。
「あなたはほんとうに、新聞社を滅ぼし尽くされるのですか。」
「もしや、その記事の中に五十の囲碁の記事があるかもしれません。ほんとうに滅ぼしてしまわれるのですか。その中にある五十の囲碁の記事のために、その新聞をお赦しにはならないのですか。
囲碁の記事とそれ以外の悪い記事とをいっしょにし、そのため、囲碁の記事とそれ以外の悪い記事とは同じであるとあなたが言うはずはありません。
とてもありえないことです。
新聞の認可をお持ちのおなたは、公義を行なうべきではありませんか。」
主は答えられた。
「もし読売新聞で、わたしが五十の囲碁の記事を見つけたら、その記事のために、その新聞全部を赦そう。」
囲碁ファンは答えて言った。
「私はちりや灰の大衆のひとりに過ぎませんが、あえて主に申し上げるのをお許しください。
もしや五十の囲碁の記事に五つだけ不足しているかもしれません。
その五つのために、あなたは新聞社の全部を滅ぼされるでしょうか。」
主は仰せられた。
「滅ぼすまい。もしそこにわたしが四十五の囲碁の記事を見つけたら。」
そこで、再び尋ねて申し上げた。
「もしやそこに四十の記事が見つかるかもしれません。」
すると仰せられた。
「滅ぼすまい。その四十の記事のために。」
また彼は言った。
「主よ。どうかお怒りにならないで、私に言わせてください。
もしやそこに三十の囲碁の記事が見つかるやもしれません。」
主は仰せられた。
「滅ぼすまい。もしそこにわたしが三十の囲碁の記事を見つけたら。」
彼は言った。
「私があえて、主に申し上げるのをお許しください。
もしやそこに二十の囲碁の記事が見つかるかもしれません。」
すると仰せられた。
「滅ぼすまい。その二十の記事のために。」
彼はまた言った。
「主よ。どうかお怒りにならないで、今一度だけ私に言わせてください。
もしやそこに十の囲碁の記事が見つかるかもしれません。」
すると主は仰せられた。
「滅ぼすまい。その十の記事のために。」
その翌日、主が読売新聞を読んだら、囲碁観戦記事は一つしかなかった。
総務省は読売新聞の免許を剥奪し、棋聖戦は潰えた。
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