stylesheet

2014年11月11日火曜日

ヴィンランド・サガ(10) - 幸村誠

漫画の1コマや1ページが絵画に等しく、これはどこかに飾って眺めていたいな、という場面がある。

例えば、永井豪のデビルマンの最後の怒りであったり、キャンディキャンディのおちびちゃんしかり。

この巻の最後もまた、まるでミレーの農夫のような気がした。それは長い憎しみや辛い戦争の後に訪れた祈りの絵ようだった。ここに描かれたものは過去に描かれた宗教画と何も変わらないし、宗教を画題とするのに飽き足らず、海岸や睡蓮を描こうとした画家たちと何も変わらない。

この最後の絵と出会うために此処まで来た、そのためにページをめくってきたと確信する。ここで「ほら見てごらんパトラッシュ、あんなに見たかったルーベンスの絵だよ」と言えないのが残念だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿