#ガンダム史実
ガンダムでも演出の都合でデザインを変えていると考えて実際はどうだったろうかと想像するのは楽しい 。
ガンダムのドラマは日常生活の積み重ねだけで作っている所が面白い。だがこの日常は好きではない。ガンダムのドラマを余り面白く感じない所以。
セイラを描かせたら安彦良和が日本一だなぁ、と言う事は宇宙一か。
ガンダムⅢの作画は日本史上屈指の完成度、並ぶものは居れども超えるもの皆無。安彦良和の凄さが伝わる作品だ。キャラが立ちこの作画、セイラもミライもフラウもキシリアも全て良い。巨神ゴーグもアリオンもクラッシャージョーもこれを超えれず。
安彦良和の描く人物は顔を左右に振る、そして上下、これで演技になっていて顔の向きや振り方でストーリー上の演技は勿論だが見るものを気持ち良くする演技になっている。アメリカのアクターの演技に似ている。因みに日本の俳優は声と表情だけで顔の向きで演じれる人は稀有。
ララァが少し知恵遅れに見えるのは演出上のアヤと言う事にしておこう。
ガンダムのセリフは独自のリズムを持っていて、これは新劇の独特なセリフ廻しに似ている。日常を話中に持ち込んだために必要となった非日常性をセリフに求めたと言えるだろう。リアルなドラマだからノンフィクションを示す記号としてセリフ廻しを必要とした。
アニメでは主役は最後まで負けないし壊れない。この嘘は日常をドラマに取り入れると成立しなくなる。そこでガンダムではニュータイプが主人公が負けない事を説明するための演出であった。つまりニュータイプは演出上のフィクション。
ガンダムと言う世界でのフィクションはニュータイプだ。しかし宇宙に出たら人間の考え方や感じ方は変わるよね、というテーマはフィクションではない。そしてラストにそれでも人間とはこう言うものだろうと主張する。一体感の様なものがいいと思う。
選民思想は別として思想としてはギレンの持っている人間への危機感が一番正しいように思える。それでもこのギレンを敵側に置いたのはこの作品の面白い所。この危機感、地球の資源を浪費してヒトに未来はあるのか、はシャアの逆襲に続くテーマだ。
ギレンの語る人類への危機感が作品の通奏低音となっておりジオンにも理がある、しかし作品ではアムロたち主役の敵として描かれていた。ザンボットのようにどちらが正しいのかというストーリーの持って行き方も可能としてはあったはずだ。
キシリアを殺して悪に確定させちゃったけど殺す必要性があったかは疑問。シャアによる狙撃は演出として必要だっただけで史実では脱出時に連邦の攻撃を受けて戦死したと言う方が自然に思える。作中では人を簡単に殺しちゃうもんだからお母さんとか叫ばせずにはいられなくなった。
シャアというのはよく見ればお馬鹿さん。だけど対応は大人でいいとこのお坊ちゃん、パイロットとしては出来て根は好い奴そうと言う、表層の良さで人気が出たタイプだ。ガンダムで人間らしく好感が持てるのはザビ家だ。彼らと比べると他の登場人物は己を語る機会が少なかった。
ザビ家を倒すべき悪とした所からガンダムはここまで続編が続いたとも言える。当初から矛盾を孕みどれだけやっても証明に失敗する定理の様だ。ガンダムの全てはザビ家が悪である事を証明しようとして失敗を続ける論文の様だ。どこかでザビをきちんと扱った作品がいる。タイトルは何がいいかな。
演出上の嘘として簡単なのはムサイなどの艦橋があります。戦闘艦で全面ガラスは有り得ない。実際は小窓が沢山あったのでしょう。レーダー機器を補う光学式観測機器も沢山搭載していたはずです。
正義と悪という対立を完全に排除したのがイデオンでその代償として続編を一切拒絶する程の完成度となった。
思えばヤマトがあれだけの続編を持つのも作品中に何か強力で解けない矛盾を抱えているからではないかという仮説は立てられる。
ガンダムではホワイトベースは大気圏にも突入したが史実にはこの様な事実はない。当時の技術でもあの船を大気圏内で飛ばすのには無理があり実現しても費用対効果が悪すぎる。クルーが地上に降りたのは事実だがあれは大気圏突入カプセルで行ったのだ。
シャアが大気圏突入時に攻撃を掛けたのは史実である。ただガンダムでそれを要撃した史実はない。史実ではシャアにガンダムを奪われることを恐れた連邦はガンダムを大気圏に廃棄した事になっている。勿論あの機体に大気圏突入能力はない。
そんな訳でアムロがジャブロー後に乗った機体はジムである、マグネットコーティングなどしなくてもジムの性能は試作機よりも数段に高いものであった。演出上はガンダムを使い続けた事になっているが実際の写真を見れば分かると思うがジムはもっとカッコいい機体です。
地上戦でのガルマ戦死にはアムロたちは関わっていない、その頃にはジャブローにいた。但しガルマ戦死の戦闘は実際にあったし経緯はガンダムで描かれたのとほぼ同じ。シャアの裏切りは史実では意見が分かれる所だが機体が故障していたとの説が有力である。
2012/03/26
ミハルのエピソードも演出である。ただ身よりのない子供を育てていた売春婦が連邦の兵士にスパイ容疑で惨殺された事件が起きておりこれが話の元になっていると思われる。これについては戦後に連邦軍から謝罪が遺族(子供達)にされている。
ザンジバルを地上から打ち上げていたがこれは史実である。但しあれは地上の工場で組み立てたものを宇宙に打ち上げていたのである。重量軽減の為に武装も装甲も施されていない。打ち上げた後はそのまま工場に運ぶもので直ぐに戦闘などは出来ない。
ホワイトベースの羽根に見える物は実は光学観測機である。より距離は離しておく方が二つのカメラで捕らえた画像の比較処理で精度が向上するのである。そこであの様に幅広くなっている部分がよく見ればどの艦にもあるがそこが光学観測機器の設置場所なのである。
アムロが打ち捨てたれたガンダムに乗って直ぐに操縦できたのは当時の子供達も軍事教練が義務付けられていたからである。アムロはパイロットコースを受講しており好成績を収めていた。フラウやセイラは看護コースを受講していた。
シャアの搭乗するザクが三倍の性能と言うが連邦の勘違いである。シャアの機体も他のザクと同じものである。三倍のスピードで移動するのは他のパイロットと違い彼は進路変更を殆どしない。速度を出し過ぎると進路変更にかかるエネルギーが大量に必要である。
シャアは最初に加速するだけで慣性飛行で戦場に来てしまう。他のパイロットがそれをやると戦場に着いた頃には進路変更でガス欠状態で戦闘にならない。これは彼の天性とでも言うべき技術であり大戦を通して彼に匹敵するパイロットは存在していない。
モビルスーツはもともと月での資源採掘作業のために開発された。それを軍用に改良したのはコロニー攻略のためである。コロニーの色んな設備で段差のある表面に磁力でくっついて移動するには二足歩行が都合良かった。手はパイプなどを掴むために用意された。
ザクの肩に付いている盾は敵の攻撃を避ける目的で付けたものではない。もともとはデブリから機体を防御するために付けたものであった。
コロニー落としをするためにザクは開発された機体である。色は宇宙空間で目立たない深緑であった。隊長機は暗い赤であったが機体はどちらもおなじものである。シャアのザクだけが赤いというのは勘違いである。戦争末期には隊長機は残機も減り隊長も緑のザクで編隊を組んでいた。
ガンダムでは機銃を撃つシーンがよくあるが宇宙で銃を撃つと何時までも飛び続けて危ないので使用されない。敵艦攻撃も主にトマホークで敵の動力炉を破壊し爆発を起こさないように気を配った。爆発するとデブリの山となり何処に飛んで行くか分かったものではないからだ。
宇宙ではモビルスーツが主力兵器であったが地上では余り使用されてはいなかった。あの高さは格好の目標であったし戦車には適わなかった。地上の主力兵器は戦車と航空機であった。ただ水中のモビルアーマーは実戦配備されていたし水中用のモビルスーツも開発計画があった。
サイドセブンにザクが進入した事実はあるがガンダムと対戦したのは脚色である。アムロはガンダムに乗って収容しただけであるし進入したザクは施設の破壊に成功したが出口まで戻れずその場に廃棄・破壊された。重力のあるコロニー内では動作も遅く使い物にならなかった。
ガルマは作品中では坊ちゃんに描かれているが実際は聡明であった逸話が幾つかある。勿論だが彼は訓練ではドップにも乗っているが実戦に出たことはない。彼は北米方面の司令官であった。
ククルスドアンと言うジオンの脱走兵が連邦ジオンの区別なく孤児達を引き取り養っていると言う話は一部ではよく知られており彼の元上司は機密費の一部で彼を支援していた。これを聞きつけた情報部が彼を捜索しようとした所、これを偶々聞いたガルマが捜索を止めたのは有名な逸話だ。
ガルマは表には出していないが講和の考えを持っていた。それを日記に付けていたのだが戦死後にその日記を読んだデギンはそれにより連邦との講和を決意したと言われる。ガルマ戦死は講和に動こうとしていたガルマを暗殺する密使をシャアが受けていたとする説もある。
ガルマの死後、恋人であったイセリナは男の子を出産している。この出産はガルマの死の二年後の事とされているが実際は8ヶ月後の事らしい。ザビ家の血を引くものとの醜聞を恐れたイセリナの父が生まれを一年遅くにしたと言われている。
ガルマの死後、北米におけるジオンの勢力は急速に縮小した。この事から彼の司令官としての能力を評価する者は多い。この勢力縮小で連邦は北米の兵を大規模にオデッサ作戦に投入出来た。これが大戦の趨勢を決定した事からガルマの死を持ってジオンは敗戦したとする見方もある。
シャアはガルマの所で地上用モビルスーツの実戦テストをしていた。しかし地上では成果が出ない所かガルマが戦死する。シャアでさえ扱えないなら他の誰にも無理と言う事で地上モビルスーツの開発は凍結された。この後にシャアはジャブロー侵入と言う危険な任務を命令される。
シャアはルウム戦役で戦艦五隻轟沈で頭角を現すがV作戦傍受当たりから情報部との関係が深くなる。その他にもジャブロー侵入による連邦新型兵器ジムの情報入手、サイコミュ操縦の開発、アバオアクウ防衛戦での前線指揮など。撃墜数は戦艦8、モビルスーツ等12。
スペースコロニーで最も重要な問題は水であった。当初は地球から運搬していたが少量であった。氷の小惑星帯が火星の内側に見つかった事から巨大コロニーの建設が可能となる。コロニーに水を運搬する船に対しては戦争中と雖もジオン連邦とも攻撃はしなかった。
ジオンは休戦後に正式に独立を勝ち取った。それに次いで幾つかのコロニーも独立を果たした。コロニーでは安定した太陽光エネルギーにより農業や工業が低いコストで生産でき地球よりも競争力があった。運搬も宇宙に出るよりも低く済んだ。コロニーにないのは漁業だけだと言われている。
ソーラーレイは実在した兵器ではなくガンダム話中での脚色である。実際の所あれだけのエネルギーを太陽光パネルで貯めようとすれば使えるようになる前に戦争が終わってしまうだろう。
ジオンが保有していた宇宙艦は戦艦26、巡洋艦32隻。連邦は戦艦18、巡洋艦16隻であった。モビルスーツはジオン516機、連邦382機。他にもミサイル艇などがある。国力から言えばこれでも多過ぎであった。連邦は要塞上陸戦には艦船が不足し運搬用に小型コロニーを活用した。
要塞攻略戦は要塞の艦船発着施設を破壊し無力化することであり上陸戦は歩兵で施設を占圧する事であった。ソロモンは攻略戦でありアバオアクウは上陸戦であった。この二つの作戦で連邦の宇宙軍は殆どの戦力を消耗した。一方のジオンも被害甚大で講和が成立した。仲介はサイド6である。
ジオンはザビ家の独裁国家ではないし共和国で議会も持っている。ギレンは政治家だが他の兄弟は軍人であり最高位の地位を持っていた訳ではない。ギレンが戦場で指揮を執ったことは勿論なく彼はアバオアクウ陥落後に本国の執務室で自殺しているのを発見されたのである。
ザビ家は革命の功労者ではあるが特別に優遇されていた訳ではない。ドズルとキシリアは要塞司令官に任命されていた。デギンはジオンの最高政治責任者の地位にいたが大戦末期にサイド3への移動中に行方不明となり戦後に事故で遭難した船が見つかっている。
2012/03/28
オデッサ作戦で核兵器を使った事になっているが核を配備している事を連邦が知っていればあの様な大攻勢には出れるはずはないのである。マ・クベはオデッサ降伏後に要塞引き渡しなどの事務手続きを行い戦後は軍を引退、地球で美術史家として余生を全うしている。
V作戦はモビルスーツの開発ではなくソフトウェア開発の作戦名であった。開発モデル機であるガンダムは各種兵装が可能になっておりデータ収集や性能チューニングに使われていた。ここでの成果が順次ジムに適用されたのである。戦争後期のジムの高い性能はV作戦の結実であった。
戦争全期を通じてアムロとシャアが同じ戦場にいたのは三回だけである。サイド7追撃戦、ジャブロー攻略戦、そしてアバオアクウ防衛戦である。この二人はともにエースパイロットであったが直接対戦した記録があるのはサイド7追撃戦だけである。二人は戦後になって初めて対面した。
シャアとアムロが対面したときシャアは初対面と思っていたがアムロはサイド6で既に二人は会っていたと言う話をした。それを聞いてシャアもその時の事を思い返したと言う。その時はシャアが女性連れであったと話した時にそれは今の奥さんではないからと笑いながらアムロの話を遮った。
サイド7追撃戦でアムロとシャアが初のモビルスーツ格闘戦を行ったのは有名な話であるがシャアは開発テストで模擬戦を行った経験がありその時の経験から連邦軍のモビルスーツの性能の高さに驚いたと言う。相手がザクであれば確実に戦闘不能になっていると述懐している。
ガンダムの開発陣は格闘戦を想定したチューニングも施しておりそのソフトウェアが機能したのがアムロには幸いであった。でなければシャア相手にはガンダムと雖も相手にならなかったであろう。要塞攻略を主眼とした連邦軍はジムには格闘戦用プログラムのアップデートをしていない。
2012/04/4
実際のグフはモビルスーツ運搬作業用の機体であって右手に付いてたのはヒートロッドではなく運搬時に荷物機を固定するためのワイヤーである。戦闘用に用いられる機体ではないがアバオアクウでは要塞化の工事に大量に投入されその後に武装を施され固定砲台として使われた記録がある。
ゲルグクは戦争末期に投入された機体で戦争を通じての最高のモビルスーツと見なされている。戦後に連邦軍は模擬戦を行い一機のゲルグクで五機のジムを圧倒した。しかし要塞防御戦の迎撃能力に特化した設計で活動時間が短くその後のモビルスーツの主流になる事はなかった。
2012/04/22
地球連邦が統一政府にも係わらず軍隊を保有したのは治安目的ではなく独立しようとする勢力を抑え込むためである。それと連邦に参加していなかったり参加が遅れ軍を完全に放棄していない地域への抑止力である。それはクーデターの危険性を内包する体制であった。
2012/04/24
連邦の白いモビルスーツと呼ばれたガンダムだがこの塗装は試作機として観測しやすい様にしたもので実戦を想定したものではない。サイド7を出港したホワイトベースには塗料が無かった為ルナツーで戦闘塗装を施された。
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