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2012年7月16日月曜日

いじめについて ~ Law & Order - Dick Wolf

地方次長検事

「陪審のみなさん、これをいじめから発展した不幸な事故と見做しますか?
友達同士の悪ふざけの中で起きた悲しい結末ですか?

いいえ、そんな事はないのです。

誰かを崖の方に暴力的な手段で追いやり、遂にはその崖から飛び降りさせた。
それはアクシデントでしょうか?

そうではありません、これはりっぱな殺人事件なのです。

いじめだと思うから問題が難しくなる。悪意があった、誰かが止められたのではないか、誰が知っていた、知らなかった、考えればきりがありません。

いじめも最初はほんの小さなきっかけから始まったものでしょう。
誰もがそれを見逃したばっかりに、いつの間にか得体の知れない化け物に変わってしまったのです。

それに誰も気付かなかった。
超えてはいけない境界線を越えてしまったのに、それに気付かなかった。
中には気付いていない振りをした人もいたでしょう。いずれにしろそれを放置したのです。

いじめだから何とかなる、そう思っていましたか。
そのうちこんなものは終わると。
で、そうなりましたか?

これをいじめだとは考えないでください。
これをいじめの結果の事故であると思わないでください。
これは殺人事件だと彼らに教えてやってください。

もしいじめではなく殺人行為であると誰もが思っていたらこのような不幸な結末になったでしょうか?親も教師もまわりの学友たちも、目の前で起きている事は殺人行為であると思っていたなら、このような結末になったと思いますか?

このいじめをエスカレートした悪ふざけと見てはいけません、
このいじめは殺人そのものなのです。

いじめた学友たちは当然、おぞましい殺人者だ。

しかしそれを見逃した教師は殺人幇助、
教育委員会は証拠隠匿、そして殺人の共謀罪。
そして犯人の親たちは殺人教唆で罪を問われなければなりません。

同様に被害届を受理しなかった警察官も、殺人に手を貸したのです。
でなければ彼らは無能だ。

陪審のみなさん、何も混乱する事はない。

複雑な様相をしていますがいじめというベールに幻惑しないでください。
ベールを剥いでしまえばその下に殺人があるだけなのです。

この裁判は勿論、復讐などではありません。

失われた命は帰ってきません。
しかし、我々の正義は彼らを罰する事ができるのです。
彼らのした事としなかった事に責任を取らせてください。

陪審員のみなさん、どうか彼らを無実にしないでください。
正義がこの国にある事を示してください。」

陪審は評決に達しましたか?
(Members of the jury, have you reached a verdict.)

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