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2026年10月24日土曜日

ヴイルスたちの独り言 II

端末から顔をあげ悲惨な顔をする。
「長官!コロナ軍の侵略止まりません、被害甚大、指数的に増大中!」
「一次防衛隊、苦戦中、第二次防衛隊、起動するも効果少なし。」

長官が聞き返す。
「光学観測網の構築はどうなっている?」
「装置の配備不十分。侵入者の正確な監視、統計的有効性最大20%まで!」
「世界での上昇とまりません、あっ!」
「どうした?」
「パリ、陥落しました。さよならを送ってきています。」
「ニューヨーク、通信途絶、、、」

防衛施設の部内が揺れる。
「ここも長くは持ちません。。。」
「長官、我々にはあれに対抗する手段はもうないのですか?」
「長官!」

部員たちが全員が長官を見上げる。
「NATTO、YOGU部隊はどうなっている?」
「は、はい。出撃準備完了との応答あり。」
「行ってくれるか?」

モニター越しの司令官を見つめる長官。
「いきましょう、我々特殊部隊はこれから最後の決戦を挑みます。」
「よろしい、出撃を命令する。吉報を待つ。」
全所員立ち上がり最敬礼をする。

前評価ではまったく対抗できないだろうとの予測が立っている。
原理的にも実験的にも直接的な対抗手段はもたない。
それでも投入する事で防御線の強化は期待できる。

そこで足止めができれば。
重要なのは一気に進入されない事だ。敵の進入濃度をコントロールできればまだ対抗できるのではないか?

基地のゲート扉が開く。数kmにもおよぶ巨大な艦隊が姿を見せた。
指令官がマイクを握り訓示する。
「これが我々が送り出せる最後の艦隊である。」
「我々はこの部隊を投入しこの辛苦と向き合う。」

「諸君、これが最後の決戦である。敵はわずか数m、小回りの利く破壊兵器群である。その数も我々の全数を圧倒している。」
「それでも我々は敵を殲滅しなければならない。世界の興廃をこの一戦に託す。」

出撃した艦隊の前方、遠くの空が真っ黒に染まる。
「敵多数、雲霞の如く。」
「主砲ひらけ、対戦防壁展開準備!」
「敵到来、あっ!?」
「どうした?」

「敵が小さぎます、我々の包囲網を全て通り過ぎてゆきます、ま、まるで。」
「まるで、なんだ?」
「魚をすくう網で、ゾウリムシをすくおうとしているようです。」

「あ、味方人工無人艦隊、到来しました。」
「無人艦隊?聞いた事がない。なんだそれは?」
「さあ我々も知りません。」

「で、でも。ご覧ください。」
「ああ、敵を次々と撃破しています。」
「入電あり!」
「な、なんと言っている。」
「前線を我々が引き継ぐ、時間稼ぎに感謝する、との事です。」
「後方にての補給体制に努めて頂きたいとの事です。」
「了解である。我々は撤退する。」

長官室
「おめおめと戻ってきました。」
「あの装備では敵を封じ込める事はできませんでした。」
うなだれる司令官。自分の無力さを感じ言っているようだ。

「ま、そりゃそうだろうな。。。」と司令官。
しばしの沈黙。
「そりゃそうですよね。」
二人は笑いあった。

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