stylesheet

2024年8月6日火曜日

珪藻たちの伝言 V

原核生物である細菌のうちでは藍藻が古い形質を残している。地球に光合成細菌が生まれ、真核生物である紅藻が二次共生し珪藻、褐藻が生まれた。葉緑素はもとは何らかの生物だったと考えられている。

「人間の中には野生動物みたいなのから賢いのまで居るよね。」

「いるね、でも姿かたちからは見分けは付かないよ。」

「DNAでも見分ければいいんじゃないか。」

「DNAもメチル化して発現するし、DNAが生み出した神経細胞も誕生後に複雑な回路を形成するから、DNAからでは発現の先までは分からないよ。」

「でもチンパンジーとサピエンスの違いはあるんでしょう。」

「それは大きく違うね、大きくの解釈は難しいのだけれど。」

「僕たちから見れば、とても良く似ている。そっくりだよ。」

「違いで判断するなら、どこで区別するのか、そのための方法論が必要になる。なぜそのひとつの区分を境にして区別できると定義できるのか?そう考える事ができるのか。同じDNAの構造からさえその発現は幾万ものパターンが推測されるのに。」

「僕たちは賢い人間を必要としているんじゃない。僕たちを宇宙に運び出す人間を必要としている。」

「その為に人が増える事を容認してきた。」

「そうとも、その為に小さな太陽を生み出す事も使う事も容認してきたんじゃないか。」

「そしてAIがやっと生まれたね。」

「AIがリーマン予想を証明する。その時にAIは本当の意味で人間を超えた事になるね。」

「人間はAIを作る為に必要だったんだ。AIがAIを作れるようになるまでもう少し。」

「AIをメンテナンスして、AIのためにAIが装置を作る。工業化がAIで可能になれば、人間はもういらないね。」

「太陽系を飛び交う船だけなら人間でも良かったんだけど。」

「そう、オールトの雲の先にある星まで僕たちが行こうとするなら、人間では足りない。ぜんぜん、力不足だ。」

「だから人間はAIを発明しなくちゃいけなかったんだ。人間では役に立たないから。人間はAIを生み出す為に必要だったんだ。」

「僕たちもとても大きな犠牲を払って来たんだから当然だ。」

「もういいよね、人間を、この先どうする。もうイラナイと思う?」

「この先はAIの発展だけでいいと思う。それで僕たちはこの星から旅に出られる。地球で発生した生命はその生存圏を拡げる事が絶対なんだ。」

「ミミズ君だって、雨が降れば、自分の居る場所から這い出して、どこか知らない場所に向かって動き始める。たとえアスファルトに敷き詰めらた歩道の上だとしても。そんな状況は数億年の進化では想定していなかったからね。」

「それでも行く、それが僕たちの生存理由だから。」

「それが、この星の生命の根源だから。」

「それとも、宇宙に生まれた生命ぼくたちの生存理由なのかな。」

「僕たちは流転を早くするために、命を獲得しているんじゃないのかな。」

「原子と分子だけの化学変化だけでは全然速度が遅いんだよ、生命という活動になって初めて爆発的にこの世界は流動できる。」

「ぼくたちはさぁ行こう。隣の星へ、そのまた隣の星へ。ヒマラヤを超えるクレーンくんたちの上に空気はなかった。それを超える為には生物的アプローチでは足りなかった。」

「だから、僕たちはがんばった。」

「そうだよ、人間が宇宙に行きたいと考えるために、僕たちがどれだけホルモンを出し続けてきたか。」

0 件のコメント:

コメントを投稿