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2014年10月5日日曜日

応天の門 - 灰原 薬

この星のクライムサスペンスは Sherlock Holmes と John H. Watson に極まる。

本作も時代を平安時代に、Holmes を菅原道真に、Watson を在原業平に置き換えた作品である。SP がもつ絵の魅力は変わらない。

この手の作品は Holmes/Watson というコンビの基本形を如何にアレンジして新しいバディを生み出すかに掛っている。本作もそれを踏襲して史実に忠実に 20 才の年の差を上手く使う、ふたりの関係はコミカル。軽い味付けの良い点は、胃もたれしない所だ。

「略無才学、善作倭歌 (学はないが、和歌は上手い)」と言われた在原業平の造形が新しい。これが作品にリアリティを与えている。在原業平は十分に魅力的なおじさんに仕上がっている。略無才学をどう描くか、単に学がないのか、それとも空気が読めぬのか、今後が楽しみな配役である。魅力的なおじさんが登場する作品に駄作なし。

本作は、次の知識があれば十分に楽しめる。
  • 菅原道真、学問の神様。頭が良い。福岡太宰府に左遷されるが、後に神様に昇格。
  • 在原業平、和歌の名人。伊勢物語の主人公。色情狂。

平安時代の新しい景色。

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