
受胎告知
誰かの評価で良いのであればエル・グレコはマニエリスムの巨匠であり、パブロ・ピカソが再発見し、印象派の技法の先駆的な画家である。20世紀初頭に児島虎次郎がパリで購入した『受胎告知』は日本が保有する奇蹟とさえ云われる。そういう逸話で十分に満足できるならそれも良い。
しかし恐らくそんな事は絵を見る上で何の役にも立たぬ。画家が持っていたであろうキリスト教への信仰も何ら関係せぬ。目の前の色彩に佇むだけで幸せになれるのだ。およそ描かれたものがキリストであれ聖人であれ伯爵であれ鳩であれ、意味ない。

聖衣剥奪
嵐のような雲の流れ、炎のゆらめきと評した筆致、マントを色彩する発色、目線の動きがキャンバスの中に散りばめられ、停止した時間の中であるにも係らず、見るものが眺める様、顔の動きに応じて構図も変わってゆく。
パッと見ればグレコの赤が印象的だ。しかし眺めていると気付く。黄色を下地にして、赤は対比するために配置されている。グレコが書きたかったのは本当は青ではないか、と。黄赤青の対比が面白くて途中からマントを見るだけで楽しくなってきた。

聖母子と聖アグネスと聖マルティナ
この画家の絵を見ていると僕には漫画かアニメーションが思い浮かぶ。動きがあって色彩の単純さがあって物語があってデフォルメがある。天使が何人もいるが頭だけを描いているのにはおかしみを感じる。顔を描きその下に羽根を付け加え、ほらこれでもう天使に見えるだろう、と笑っているかのようだ。
カメラの視点というものは一つ場所の固定されている。これが絵になると顔が動き異なる幾つもの視線が一枚の絵の中に同居できる。映像がパンで表現するものを一枚の絵の中に表現する。エルグレコではそれは縦に伸び下から上へと動く顔の流れをも含むのではないか。
マントの皺の省略の仕方がまたいい。まるで、ああ面倒臭いと言いながら描いている様が目の前に浮かぶようだ。もしこの画家が今の時代に居たら。きっと漫画家であり映像作家であり画家であったろうと想像が逞しくなる。

無原罪のお宿り
筆致の楽しさ。それが印刷では分からない。本物を見るべきなのは、まさに私と絵の間にグレコが立ち筆が流れている幻想を想像できる所にある。ここをどう描いたのだろうか、という興味とは、画家が蘇る事の言い換えだ。
展覧会において、グレコは地の底から蘇り、絵の前に立ち、筆を振るっているはずなのである。それが画家と出会うという事なのかも知れない。
だからこの機会を逃すべきではない。
もちろん、長い人生であれば再び見える事はあるだろう。しかしそのためには世界のあちこちに足を運ばなければならない。
もうひとつ。エルグレコの描く鳩は上手くない、どちらかと言えば下手。JR 上野駅で駅弁を楽しみに、鳩を見に行くのは悪くない時間の過ごし方だと思う。
2013/03/15
エル・グレコ展
ラファエロも円空も見ずにグレコ
芸術家の自画像、襟の白いひだひだがいいね。
燃え木で蝋燭を灯す少年。口の周りの白い色が白粉に見えて好きだけど灯りだね。
白てんの毛皮をまとう婦人。毛皮と背景の境目がいい。女は肌とかも綺麗に描かないといけないから嫌いだといってそう。
フリアンロメロと守護聖人。甲冑の間から見える緋色がすてき。左にある手書き文字のうますぎない感じいい。
聖パウロ。赤が聖なる色なのかしら。右手の表情がいい。
聖ペテロ。ヨハネ。パウロ。赤に飽きたのかな。水色と黄色、緑と赤、赤と青。色の組み合わせと印象が面白い。ヨハネ悪い奴そう。
聖アンナのいる聖家族。この空色と雲、まるでラピュタみたい!
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聖ラウレンティウスの前に現れる聖母。あの振り向きでは聖母が目に入るわけはないのである。気配に気づいてあたりを探しているという感じかしら。
悔悛するマグダラのマリア。青の大地が不思議。
絵画は模倣である。フィルムは模倣であるか?
羊飼いの礼拝。もっともらしいかも知れない。暗闇の感じもいい。
受胎告知。赤青黄登場。
受胎告知1600。縦長の方がいいね。岩の壁に見えるものは全部顔ですからね。
羊飼いの礼拝。漫画家が模写しないかな。
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十字架のキリスト。四つに分割された割合が不思議な構図。
聖母戴冠。ほら羽根から顔が生えてる天使が。
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聖母戴冠。二つの大きさの違いが、大きさの表現の違いとなっているのかな。
聖アウグスティヌス、ヤコブ、フランチェスコ。オレンジ色。フランチェスコの空もいい。
あーあ天使の顔を踏ん付けちゃって。
聖マルティヌスと乞食。首が死ぬほど長いのは愛嬌として主役は馬に違いない。
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聖母のエリザベツ訪問。青と青の対比がいいね。
無原罪のお宿り。羽がかっこいい、雲がかっこいい、衣がかっこいい。
グレコって兎に角かっこいい画家なんだよ。
どれが傑作とかあまりないな。このタッチかあればどれでも。それでストームを描いてもらいたい。どんな絵になるか想像してみる。
画集にはタッチがないから。


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