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2026年1月6日火曜日

割り算とは何だろうか、400ポンドの肉編

割り算との出会い

足し算、引き算から掛け算まではそう難しくはない。演算子に何かの色を付ける事は、望ましくない。極力色を落としてその作用だけを結晶化しておく方がいい。道具は白色である方が自在に扱えるだろう。とは言え、最初は着色してイメージしながらの方が扱いやすい。

足し算はステーキの枚数である。目の前にあるステーキを数えるだけでいいので日常的にイメージしやすい。引き算もステーキを一枚食べたら減らせばいいだけなので日常的によく経験する。個数は多い、少ない、増える、減ると前後の変化として把握しやすい。

一頭の牛から何枚のステーキが取れるかもイメージしやすい。一頭の牛を解体したら何枚のステーキが取れるか。例えば100枚とれたとする。

掛け算は足し算の糖衣構文として理解すれば十分。最初は計算の荒業、高速化技法として考える。一頭の牛から100枚のステーキが取れるなら3頭の牛からは何枚のステーキが取れるか。\(100+100+100 = 100 \times 3 = 300\)

割り算がこれらと異なるのは、400ポンドのステーキを2枚に切った場合である。1枚を切れば2枚のステーキになる。しかし割り算で書けば\(1 \div 2 = \frac{1}{2}\)となる。しかし、実際に二枚に切れば、目の前には二枚のステーキがある。決して0.5枚でも\(\frac{1}{2}\)枚でもない。

2つに分けたら(割り算したら)個数は増える。これが絶対である。2枚のステーキが確かに目の前にあるのだから。

この謎を解かずに割り算に入るのは難しい。ここを暗記で突破したり、ルール、約束事として受け入れても仕方ない。ここで動けなくなる子もいるだろう。この矛盾を解決せずに先に進んではダメだと恐らく本能が訴えてくる。その通りだ。その考え方が正しい。

この割り算の答えはステーキ屋のメニューにある。ステーキの単位は個数ではなくポンドである。割り算とは重さを測る為の計算である。そう理解すれば最初は十分であろう。

割り算を個数で考えたらいけない。ふたつに分けたら個数は二倍になる。だが重さが半分になる。\(400 \div 2 = 200\)。

400ポンドのステーキを2枚に分けると重さは200ポンドになる。さて、ふたつに切った時にその二枚が同じであるとどうすれば確かめられるか。

それは天秤を使って二枚のステーキを測ればいい。同じ重さなら天秤は吊り合う。でも切ってから図るよりも、切る前に何グラムになればいいかが分かった方が便利そうだ。それを求めるのに割り算がある。

割り算

ステーキ肉を重さで比較するには、単位として1ポンドが必要だ。400ポンドのステーキ肉を半分に分ける。この時、2つの肉の塊が出来るけれど、公平に分けるなら重要なのは重さである。どちらが脂身が多いとかはここでは問わない。

400ポンドの肉を等しく二つに切ったら200ポンドの肉になる。これは\(400 \div 2 = 200\)で確認できる。枚数は1枚から2枚に増えたけど、その重さが \(\frac{1}{2}\) の半分になっている。2枚がぞれぞれ元の重さの\(\frac{1}{2}\)になっているなら、この比率から等しく分けられたと確認できる。\(\frac{200}{400}=\frac{1}{2}\)

割り算は比を求めるとも考えられるから、400ポンドのステーキを2枚にした時には200ポンドと求められる。\(400 \div 2 = 200\)。それが元のステーキに対してどれくらいの分量になったかは元の重さと比べてみればいい。\(200 \div 400 = 0.5\)。

とは言え3枚に切り分ける場合は割り切れない。\(400 \div 3 = 133 ... 1\)。どうしても1ポンドが余る。さて困った、とは言え残りが小さくなったなら目分量で適当に三分割しても誰も気にはならないだろう。

1の性質

もし1しか数がなければ掛け算と割り算には面白みがない。数が増えも減りもしないから。\(1 \times 1=1, 1 \div 1=1\)。

1に1を足す事で新しい数が生まれる。(\1+1=2\)。そうなると掛け算や割り算に面白みが増す。

0の性質

0を導入する。この0は少し不思議な数で、0を掛けるとあらゆる数が0になる。\(2 \times 0=0\)。しかし0を足しても数は変化しない。\(2 + 0=2\)。

この0の特別な振る舞いは他の数と少し区別できる。恐らく0の中には無限とつながる何かがあるのだろう。だからかも知れないが、0では割ってはいけない事になっている。

conditonformulanumber
基準となる元の数
足しても元の数を変えない数\(n+0=n\)
足すと0となる数\(1+(-1)=0\)-1
足すと1となる数\(n+(-n+1)=1\)-n+1
掛けても元の数を変えない数\(1 \times 1=1\)1
掛けて0となる数\(1 \times 0=0\)
掛けて1となる数\(n \times \frac{1}{n}\)=1\(\frac{1}{n}\)(逆数)

逆数

割り算は逆数を掛ける事に等しい。逆数とは掛けて1になる数。\(\frac{10}{10}=10 \times \frac{1}{10}=1\)。

これを解釈するなら、逆数とは1との比率(割合)と考えられる。これは新しい元(基準となる1)を1から他の数に変更する操作とも考えられる。5に逆数の\(\frac{1}{4}\)を掛けると、従来まで5と数えられていた数は\(\frac{5}{4}=1\frac{1}{4}\)に代わる。5は4よりも\(\frac{1}{4}\)だけ大きいという意味にもなる。これは4を基準とした時の5の大きさと考えらえる。また従来の1が\(\frac{1}{4}\)に変わったとも考えられる。

また、ある整数を逆数にするとは、無限大のなかのどこかにある数を-1から1の間のどこかに配置する事に等しい。これは確率の範囲でもある。

400ポンドのステーキを2つに分けると200ポンドのステーキが2つできる。400の逆数は\(\frac{1}{400}\)だから、400ポンドのステーキを1にできる。この時、単位としてポンドフォーと名付ける。400ポンド=1ポンドフォーとする。\(400 \times \frac{1}{400}=1\)。

1ポンドフォーのステーキを半分にすれば、\(\frac{1}{2}\)ポンドフォーのステーキになる。これを更に逆数で割る(逆数の逆数で掛ける)と元のポンドに戻る。\(\frac{1}{2} \div \frac{1}{400} = \frac{1}{2} \times \frac{400}{1} = 200\)。

斯様に400ポンドのステーキ肉は実際に図れるものであるが、逆数は全くの架空の数値である。必要に応じて生まれた数値である。どこにも実存していない。計算するために発生した数である。だから数えられない。

400ポンドのステーキ肉を二人で分けるイメージがあるから\(400 \div 2 = 200\)という式が成り立つ。所が逆数を掛ける式\(400 \times \frac{1}{2} = 200\)では、この数字はどこから?という気がしてくる。

二人ではなく、半分にする、という意図が\(\frac{1}{2}\)にはある。これは数値でありながら、既に演算子的な振る舞いをしている。演算子に近いから数値ではない、そんな混在感が割り算には潜んでいる。これが割り算が分かりにくい理由だろう。

数えられる数、数えられない数


ステーキ肉の枚数、お客さんの数などは数えられる。フォークの数、ナイフの数、ソースの数、人参グラッセの数も数えられる。ひとつのステーキがあれば、それに付随して必要なフォークの数が決まる。添えられるグラッセの数も決まる。ソースの数はお店て決まっている。

しかし数は数えられるものだけではない。数えられないものも数になっている。例えばステーキの長さ、重さ、調理温度、調理時間などが数えられない数である。これらは人間は数えられないけれど、定規、秤、温度計、時計など基準となる1を作る事で数えられるようにした数になる。

更には、どうしても数えられない数がある。例えば\(\frac{1}{2}\)は数えられない。凡そ0.5も数えられない。それでも0.5倍という使い方ができる。

数には数えられる数と数えられない数があるけれど、どちらも数としては扱える訳である。だからこれらは足したり掛けたりできる。例えば、ステーキ肉400ポンドとナイフの個数4つを足す事もできる。\(400 + 4 = 404)。ただしこの足し算にどんな意味があるかはよく分からない。

数には意味のある数とない数がある。なぜ意味がないかと言えば、その数の意味を説明できないからだ。

ステーキ2つとグラッセ3つを合わせると5になる。この5つをなんと呼ぶか。ステーキが5つではない。グラッセが5つでもない。この5に意味を持たせたいなら、お皿にある数だろう。

ステーキとグラッセを併せて呼ぶ名前はない。例えばりんごとみかんなら果物と呼べる。だからステーキとグラッセを合わせたものをステッセとでも呼べば、5つのステッセがあると言える。これは、これで便利な単位かどうかは分からないがとりあえず意味は理解できる。

だからそこに意味が見出せないからと言って、必ずしもそこに意味がないとまでは言えない。自分にその意味が理解できていないだけの可能性はある。

多くの発見や発明もその類だろう。

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