風立ちぬ
生きめやも。風が吹いた、ひとりであっても生きてゆこう。めは未来を表し、やは意志を表す。もが自分への問いかけになっている。そう聞こえる。
2013/08/29
かぐや姫の山や月は現代の山であり月である。風景の全てが今の風景に見える。平安時代のひとが見た山でも月でもなく。予告を見ながら、そう感じた。この映画は予感する。
2013/08/29
日本という風景。だけども剽窃。どこかで見たシーン。ホームズや紅やハウルで見た気がする。自分の作品からの剽窃という感覚。当たり前の話なんだけれど。カプローニがいい。声がいい。飛行機で映画が動き始めた。
2013/08/29
こんな地震の描き方を初めて見た。王蟲かよとばかりに瓦屋根が揺れる。そしてすぐに地震は止まる。この静寂とそれからの混乱。二度目の法則はあまり使っていない感じ。
2013/08/29
二郎の声。聞いて一秒経ってから庵野秀明と気付く。これはあれだ。あいつの声を知ってるやつが悪いってやつだ。初めて聞くのならあの顔を思い浮かべない。脳内から消せない自分が悪い。これまで世間でべらべら喋ってきた庵野が悪い。いい声。
2013/08/29
空母のシーンがいい。あれはいい。千尋のくされ神を思い浮かべた。
2013/08/29
この映画に戦争の匂いはひとつもない。それが匂うなら映画ではなく自分の体臭。僕たちは価値観を削ぎ落とさなければならない。理想を追いかけたら何の役にも立たない飛行機が生まれる。機銃を乗せたら云々は人も荷物も運べない飛行機という事。
2013/08/29
計算尺が物語の中心にある。2013/2013/08/号のニュートンにその使い方が載っている。使い方を知っているだけで印象がだいぶ変わる。計算尺が使える人は見るべし。
2013/08/29
汽車からの風景の遠くにある家家にも人人が住んでいる。そういう風に感じられる様にするには風景を長く描く、通りすがりの人もきちんと描く。ちはやふる(漫画)には及ばないまでも。遠くの何かもセルで動かしておく。夢と現実のモブシーンの描き分け。
2013/08/29
最後のシーンにはさようならとかありがとうの言葉があってもおかしくなかった。でもそうではなくてワインで良かった。
2013/08/29
宮崎駿が言葉にしなかったものを言葉にしても仕方がない。言葉にしても仕方がないと思ったものを言葉にしても嘘になる。でも何かを書きたくなるとしたらそれは礼状かも知れない。この映画は礼節の映画だから。
2013/08/29
レイ戦なんか嫌いとか言いながら、あんだけ美しい零戦を描きやがって、と思った。あんなに美しく動く零戦なんてどこにあるだろう。
2013/08/29
タバコの煙で前が見えない会議室のシーンさえなかった。気にするなら煙草よりも計算尺。
2013/08/29
言葉にできない何かがある。秘密でも思想でもなく彼が信じたものでもなく彼は信じられなかったものを描いた。自分はこれを信じているが君に信じろなんてとても言える代物ではない。もののけに感じたあれ。
2013/08/29
訳も分からず泣きそうな所が数カ所ある。理由は分からない。そのどれも宮崎駿が泣いた所じゃないだろう。スタッフの顔が思い出されて泣いたのかなあ。映画で涙が止まらなかったのは泥の河。
2013/08/29
なんかよい日本の映画がやっと出来ました。という感じ。原作や実在の人物に敬意は表しても切り貼りして跡形もなくする。原作は幼虫で宮崎蛹を変態して作品になる。だから礼節はある。
2013/08/29
音が耳に残った。いい言葉なら印象がある。悪い言葉なら単調。それさっき聞いた感が繰り返す。
2013/08/29
なにかこうパチパチと野火が移ってきて取り囲まれて焼けてしまう。
2013/08/29
タン タターンタ タタタターンータ タンター
2013/08/31
誰かに作ってもらった感動なんていらない。映画は目の前にある風景に過ぎぬ。そこににじみ出る人の形にたじろぐ。
2013/08/31
自分が座れる小さな空間を確保する事が社会と関係するという事だ。書きたい事に迷いはない。分かってもらう様に描く事が難しい。作品とはそういうものだろう。それが自分を掘り当てると言う事ではないか。
2013/08/31
めんどくさいと言っているのなら、もうはっきりと見えて分かっている時分なんだ。
2013/08/31
この作品は擬似体験するものではないと思う。テーマを見つけるものでもない。いっしょに歩いてみる体験ではないだろうか。
2013/08/31
自分の世界観を語るしかない。しかも饒舌に。作品が沈黙しているから。
2013/09/21
はだしのゲンも読み始めたら止まらなかった。風立ちぬ と同じものを感じた。
2013/09/21
風立ちぬ と はたしのゲン は作品として兄弟だと感じた。不思議な感だ。これが誰かに正しく伝わるとは思っていない。
2013/08/31
pacific rim
設定の嘘を全力でリアリティを持たせるのが巧い。その肝となるのが組織。組織として合理性を持って成立するなら本物に見えてくる。必要ならその為の法律さえでっち上げていそう。
2013/08/31
怪獣であれども寄生虫がいたりDNAを解析したりと合理的。しかも別世界の生物と同じ構造のDNAなどという疑問をはさむ余地のないタイミングで言うもんだから、素直に受け入れてしまう。これはマジックだ。
2013/08/31
日本の巨大ロボットは坐って操縦が本流。この操縦はジャンボーグAのタイプ。
2013/08/31
日本のロボットは万能感と自由の象徴。個人の手足の延長であり自己の拡大という感じ。Pacific Rim にあるのはヒーローになるためのツール。組織の中のそれぞれの役割を全うする事が大事という感じ。同じ巨大ロボットでもずいぶんと違う。
2013/08/31
マジンガーの最終回と同じでやられて壊されて、そこから勝利に転ずるカタルシス。ストーリーはインディペンデンスデイの類型か。最後まで世界観を壊さないでいた。でも最後の救援ヘリはきっとアメリカ海軍なんだろうなあ。そのリアルさ。
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