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2020年4月1日水曜日

なぜ掛け算を先にやるのか

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前提条件

  1. 足し算は掛け算、掛け算は足し算
    \( 2 + 2 + 2 = 3 \times 2\)
  2. 引き算は足し算、割り算は掛け算
    \( 2 - 3 = 2 + (-3)\)
    \( 2 \div 3 = 2 \times \frac{1}{3}\)
  3. 足し算と掛け算は、順番に影響されない
    \( 2 + 3 = 3 + 2\)
    \( 2 \times 3 = 3 \times 2\)
  4. 引き算と割り算は、左から順番に計算する(順番を変えると結果が変わる)
    \( 2 - 3 \neq 3 -2\)
    \( 2 \div 3 \neq 3 \div 2\)

足し算と掛け算の混在


計算の順序がなければどうなるだろうか。
\(1 + 2 \times 3 - 4\)

  1. 頭から順番にやる。
    \(1 + 2 \times 3 - 4 = ((1 + 2) \times 3) - 4 = (3 \times 3) - 4 = 9 - 4 = 5\)
  2. 足し算・引き算を最初にやる。
    \(1 + 2 \times 3 - 4 = (1 + 2) \times (3 - 4) = 3 \times -1 = -3\)
  3. 掛け算を最初にやる。
    \(1 + 2 \times 3 - 4 = 1 + (2 \times 3) - 4 = 1 + 6 - 4 = 7 - 4 = 3\)

足し算と掛け算が混じっている時に計算する順番が違うと結果は変わる。だから順序を決めておかないと同じ結果が得られなくなる。

足し算は掛け算、掛け算は足し算


以下の式。
\(a + a + a + a + b\)

上の式の足し算を掛け算に変える。
\(2 \times a + a + a + b = 3 \times a + a + b = 4 \times a + b\)

この時、足し算を先に計算するルールだと次のように計算しなければならない。
\(4 \times a + b = 4 \times (a + b)\)

上の式を足し算に戻す。
\(4 \times (a + b) = a + a + a + a + b + b + b + b\)

これは元の式とは異なる。
\(4a + b = 4 \times a + b = a + a + a + a + b\)

もうひとつ


以下の式。
\(a + a + a + b + b\)

掛け算の形にする。
\(3 \times a + 2 \times b\)

足し算を先にするルールだと次のようになる。
\(3 \times a + 2 \times b = 3 \times (a + 2) \times b = 3 \times b \times (a + 2) = 3b(a+2)\)

これを足し算の式に戻そうとすると元の式と違っている。
\(3b(a+2) = (3b \times a) + (3b \times 2) = 3ba + 6b = ab + ab + ab + 6b =\)
\((a \times b) + (a \times b) + (a \times b) + (b + b + b + b + b + b)\)

このような誤りを防ぐには次のようにカッコを書く。足し算を先にするというルールがある場合、足し算を掛け算の形にした場合は常にカッコを書かないといけない。
\(a + a + a + b + b = (3 \times a) + (2 \times b) = 3a + 2b\)

もしカッコを書き忘れると結果が変わる。常にカッコを書かなければいけないのは面倒。なるべくカッコを付けないようにしたい。

掛け算を先にするルールにすれば、カッコを書かなくてもいい。楽チン!
\(a + a + a + b + b = 3 \times a + 2 \times b = 3a + 2b\)

掛け算を先にするルールによって、掛け算記号を省略する記法も自然に感じる。

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