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2015年3月9日月曜日

まちあわせ - 田中雄一

屋根裏部屋で見つけるしろ本屋で手に取るにしろ誰かの書評にしろ、本は誰かの手を通してやってくる。

吉田豪
『まちあわせ』っていうのはですね、かなりハード&ヘビーなSFマンガみたいなやつです。本当に、世間的には知られてないでしょうけど、買って損はないんでみなさん買ってほしいです。
ラジオ「上柳昌彦・松本秀夫 今夜もオトパラ!」 より

「まちあわせ」は壮大なラブストーリーだった。釈迦が50億年。それよりは近い未来だけど人間の存在など気にしない。火の鳥の既視感にも繋がる。あと何故かしら「千年万年りんごの子」を思い出した。

「箱庭の巨獣」の造形は独特だった。その独自性は、絵柄や造形が自分の感性と合っていないと敬遠しそうだ。しかし、もし特撮が好きならこれが実写化されればどうなるだろうと想像する楽しみがある。観客を呼べる映画になるかどうかは別にして特撮映画にしたい。

物語に最後にあるどんでん返しは本当に必要か。だが、このアイロニーは後からじわじわと効いてくる。

自分達の決断が裏目に出た時、人はどういう言い訳をするか。新しい世代は仕方がない。しかし古い世代の勝手さはどうだ。と考えざるを得ないキャラクター。人は運命から逃れようとして運命を受け入れたものを倒し、またその次の運命に倒される。その繰り返し。蓼食う虫も好き好き。

この造形は独特である。そして異形の存在は長く脳裏に残る。つまりインスピレーションを刺激する。

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