5 * 3 の場合
例えば 5 と 3 を掛けるは、5 を 3 回たす事と言える。5 * 3 = 5 + 5 + 5 = 15
1/5 * 3 の場合
分数でも同様だ。1/5 * 3 = 1/5 + 1/5 + 1/5 = 3/5
1/5 * 2/3 の場合
では分数同士の掛け算はどういう足し算だろうか?1/5 * 2/3 = ????? = 2/15
分数の掛け算の意味は何だろうか。2/3 を掛けるのは、2/3 を足すという意味ではない。2/3 回たすの足し算はどんな形の足し算になるのだろうか。
5*1 の場合
5 * 1 の掛け算は 5 を 1 回たすことである。1 回たすとは 5 を足すことではない。0 を足すことである。5 + 5 は 5 * 2 である。5 * 1 = 5 + 0 = 5
5 * 0 の場合
5 * 0 の掛け算はどういう足し算になるだろうか。5 * 0 = ????? = 0
5 * 0 の掛け算は次の足し算と結果が等しい。
5 * 0 = 5 - 5 = 0
1/5 * -2 の場合
0 を掛けるとは、5 を引くことである。つまり 0 より小さい数の掛け算は引き算になる。1/5 * -2 = (1/5 - 1/5) - 1/5 - 1/5 = 0 - 1/5 - 1/5 = -(2/5)
掛し算と足し算の関係
5 * -2 | 5 * -1 | 5 * 0 | 5 * 1 | 5 * 2 | 5 * 3 |
5-5-5-5 | 5-5-5 | 5-5 | 5+0 | 5+5 | 5+5+5 |
3回ひく | 2回ひく | 1回ひく | 1回たす | 2回たす | 3回たす |
引き算と足し算の関係
なお、引き算は次の足し算に出来る。(1/5) + (-1/5) + (-1/5) + (-1/5) + (-1/5)
足し算の形にする利点は前後をひっくり返しても答えが同じ点が挙げられる。引き算の 5-3=2 と 3-5=-2 は違う答えだが、5+(-3) と (-3)+5 は同じ答えである。
分数の掛け算
分数の掛け算に戻る。例えば 1/5 * 1/3 は 3 回足したら元の数になる数と言える。
1/5 * 1/3 = x とした時、x + x + x = 1/5 となる値である。
この x を足し算で求めるにはどうすればよいだろうか。掛ける数とは足す回数を示す。だから 2/3 とは 2/3 回だけ足すことである。それをイメージすることは難しい。だが 2/3 回だけ足すなら、どこかに 2 と 3 が出現する足し算のはずである。そして 1/5 * 2/3 は 次の足し算で記述できる。
1/5 * 2/3 = (1 + 1) / (5 + 5 + 5) = 2 / 15 = 2/15
分数の掛け算は分母と分子をそれぞれで足し算にする。これは整数の掛け算も同様だ。
5 * 3 = 5/1 * 3/1 = (5 + 5 + 5) / (1 + 0) = 15/1 = 15
分数の分母と分子
分数の分母と分子は別々で扱うのである。なぜ分母と分子は別々に掛けて良いのだろうか。それは (1/5) * (2/3) のような掛け算と割り算は、頭から順序良く計算しても結果が同じだからだ。
(1/5) * (2/3) = 1 / 5 * 2 / 3 = (1 * 2 / 5) / 3 = 2 / (5 * 3) = 2 / 15
これが計算順序を変えると一致しない。
1 / (5 * 2) / 3 = 1 / 10 / 3 = 1/10 / 3 = 1 / 30 = 1 / 30
A/B という形は、ひとつの分数であり、割り算であり、掛け算でもある。2/3 を掛けるとは、2 を掛けてから 3 で割ると考えてよい。これは 2 を掛けてから 1/3 を掛けると同じである。つまり、全てが掛け算の形になる。
1/5 * 2/3 = 1 * (1/5) * 2 * (1/3) = 1*2 / 5*3 = (1+1) / (5+5+5) = 2/15
分数とは
分数とは、掛け算、割り算が混合しても頭から計算すればよいように記述された形と言える。(A/B) = A / B = A * (1/B)
これは A / B * C / D を AC / BD としても良いことを示す。これで割り算を掛け算に変換できた。これらの操作は掛け算の順序は任意に自由に入れ替えても良いから出来ることだ。
AC / BD = (A * C) / (B * D) = A * C * (1/BD) = A * C * (1/B) * (1/D) = A/B * C/D
割り算 24 / 12 は 24 / 12 = (4*3*2) / (4*3) = (4*3) * 2 / (4*3) = (4*3) * 2 * (1/(4*3)) = (4*3)/(4*3) * 2 = 2 のように掛け算に変換できる。
これらのことから分数とは、掛け算の中に上手に割り算を隠す方法のひとつと理解できる。
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