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2013年7月26日金曜日

分数の割り算はなぜひっくり返して掛けるのか - 比や引き算で考える

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割り算は引っ繰り返す

割り算は引っ繰り返して掛け算にして求める事ができる。

2 ÷ (3/4) = 2 * (4/3) = 8/3 = 2(2/3)

2


3/4


2 + 2/3


比で割り算する

割り算を比で考える。比の計算規則は内側の積と外側の積は同じである。

2 ÷ (3/4) を比の形で記載する。

2 : 3/4 = x : 1

2 ÷ (3/4) は 2 : 3/4 = x : 1 を求めるのと同じである。 2 : 3/4 = x : 1 は 2 = 3/4 * x に変形できる。よって両辺に 4/3 を掛けて 2 * 4/3 = 3/4 * x * 4/3 とでき x = 2 * 4/3 = 8/3 と求まる。

比の意味は、3/4 を 1 とした時に 2 はどのような数値になるか、または 2 の中に 3/4 が何個あるか、と言い換える事ができる。このふたつは違うようで同じ意味である。

引き算で割り算する

次に 2 ÷ (3/4) を引き算によって求めてみる。

なお 2 = 8/4 であり 3/4 + 3/4 + 2/4 である。

2 - 3/4 =
8/4 - 3/4 ⇒ 1 余り 5/4
5/4 - 3/4 ⇒ 1 余り 2/4
2/4 = 1/2

2 (全体の数)


5/4 (3/4 を引いた余り)


2/4 (さらに 3/4 を引いた余り)


この 2/4 を 3/4 を 1 としたときの値にする事に注意。3/4 を1 にするなら 2/4 は何になるか。 2/4 は 1 : 3/4 = x : 2/4 の比として記述でき、内側と外側の積は 3/4 * x = 2/4 であるから x = 2/4 * 4/3 = 2/3 となる。

3/4 は 3/4 を 1 とした時の 1 であるから、3/4 + 3/4 + 2/4 は 3/4 を 1 とすれば、 1 + 1 + 2/3 となり、求める値は 2 + (2/3) となる。

3/4


1/2


この図から見えるように 1/2 とは 3/4 の 2/3 である。

割り算とは

さて割り算の形について一般的に考える。

1/2 と 3/4 の割り算にはふたつの形がある。
  1. (1/2) ÷ (3/4)
  2. (3/4) ÷ (1/2)

それぞれの式の意味を適切に考える事ができるだろうか。どういう時にどちらを選べば欲しい答えを得る事ができるだろうか?

比では次の形はどちらも同じ結果になる。
a : b = m : n
a : m = b : n

どちらも an = bm になるからである。掛け算は前後の順序を変えても結果は同じになる。

(1/2) ÷ (3/4)

3/4 を 1 とした時の 1/2 の値を求めるには、(1/2) ÷ (3/4) である。なぜこちらの式なのだろうか?それには 1 ÷ (3/4) の意味を知る所から始める必要がある。つまり (1/2) ÷ (3/4) は次のふたつの式として考えられるのである。
  1. (1/2) ÷ (3/4)
  2. 1 ÷ (3/4) * (1/2)

3/4 を 1 とするのを 1 ÷ (3/4) で求める。これが計算上の単位になって、その 1/2 を求めればよい。

1 - 3/4 =
4/4 - 3/4 ⇒ 1 余り 1/4






3/4 + 1/4 は 1/3 の 4 倍である事が分かる。1 ÷ (3/4) は、3/4 : 1 = 3/4 : 4/4 = 1 : x の比になる。1 : 3/4 の比は 4/4 : 3/4 の分子の比と同じである。分数の比は、分母が同じ時の分子の比と見做す事ができる。

分数は、分母が同じ時に、分子だけの比として考える事ができる。

よって分数の割り算は次のように求める事ができる。

1 / (3/4) の分母を揃える。 ⇒ (4/4) / (3/4)
分子の数字だけを抜き出す。 ⇒ 4, 3
そのふたつを割り算にする。 ⇒ 4 / 3

例題

(1/2) ÷ (3/4) は
(2/4) ÷ (3/4) ⇒ 2/3

2 ÷ (3/4) は
8/4 ÷ 3/4 ⇒ 8/3

(4/5) ÷ (2/3) ÷ (1/2) は
(24/30) / (20/30) / (1/2) = (24/20) / (1/2) = (24/20) / (10/20) = 24/10 = 12/5

この方法は (面倒であるが) 分かり易い。

(4/5) ÷ (2/3) ÷ (1/2) を通常の求め方をすれば、(4/5) * (3/2) * (2) = 12/10 * 2 = 12/5

こちらの方が覚えてしまえば圧倒的に簡単だ。

2 ÷ (3/4) の展開

  1. ⇒ 2 : 3/4 = x : 1 [比の形する]
    ⇒ 2 = 3/4 * x [内側と外側の積は等しい]
    ⇒ x = 2 * (4/3)
    = 8/3
  2. = (8/4) / (3/4) [分母を揃える]
    ⇒ 8/4 = 3/4 + 3/4 + 2/4 [割る数の足し算の形にする]
    ⇒ (1 ÷ 3/4) * (3/4) + (1 ÷ 3/4) * (3/4) + (1 ÷ 3/4) * (2/4) [3/4 を 1 の単位とする]
    = 1 + 1 + 2/3
    = 8/3
  3. = (8/4) / (3/4) [分母を揃える]
    = 8 / 3 [分子だけの割り算にする]
  4. = 2 * (4/3) [引っくり返す]
    = 8 / 3

なお C は D の特殊系と言える。

(8/4) ÷ (3/4) を分子だけの形にして 8 / 3 とするのは、

(8/4) * (4/3) により分母が通分されて消えたのと同じ。

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