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2025年1月25日土曜日

切り抜きストーリー1

2010/06/14
誰を信じていいのかわからないだと?首相は所詮赤の他人、将軍と違い下々の民の心配はしない、それ以前に神様以外は信じるな…

2010/06/18
鶏が鳴こうとしていた。焦っていた彼は、誰をかえりみるかを決め兼ねていた。その方は、人の世の事は何も理解出来ないのに、口から漏れ出る言葉は、まるで麻薬のように、女のように、酒のように、彼を捕らえて離さなかった。「彼を如何にして救わん」

2010/06/17
博士、総理からお電話です。なんじゃい?石油流出でいよいよアメリカから正式な要請が来ます。十日で完全に止めて欲しいそうです。ふん、三日と返事をしとけ。おお!兜博士、日本としても助かります!

2010/06/27
彼との間で話はついている。幸い彼らは彼の顔を知らない。誰もあれがああとは思うまい。だから、うまくいくはずさ。それにしても、俺が裏切ると名指ししたのには、正直驚いた。

2010/07/03
ギャン、正式採用ならず。ゲルググに負ける。

2010/07/05
この話を切り出した時、彼は流石に驚いていた。だが、美男子であるし、頭も切れる。勇気もあり、彼を思う気持ちも強い。信仰深く、何よりこの犠牲の意味をよく理解していた。否、理解だけで足りる話ではない。彼は演じきらなければならぬ。つまり、彼そのものになるのだ。もうひとりの彼になるのだ。

2010/07/05
違う種の花のそれぞれと同じ種のヒトのそれぞれを比べても。オンリー1だろうがナンバー1だろうが金にならないと店先には並ばない。

2010/07/08
実は、水族館の職員さんに凄い指導者がいる。高校のクラブあたりの監督している人なんだが、その人が何かを塗ってパウル君を誘導していたのだ。その彼は、8年後のWCでドイツを優勝させるのだが、それはまた別の話で。

2010/07/08
PREDATOR って早い話、あの星の K-1 fighter みたいなもんでしょ?空手家が森にはいって熊と戦いました、って話だろ?軍隊がきたら勝ち目はないな。

2010/07/11
解析したら緻密な計算は見つかるだろうが、緻密な計算でする人は天才にゃなれんよ。

2010/07/11
狂繋がりで北斎と松陰の関係を空想した漫画はないもんかな。金子を北斎にしとくか、幕末に流行ったのかな狂の字?ああ年齢が全然違うな。それでも浦賀辺りで出会いたい。

2010/07/18
もう何日も前から預言は始まっていた。それは成就しなければならないから、それが起きる事を弟子の誰一人として疑う者はいなかった。だがどうすればいいのか。嵐が来る事が分かっているのに何の備えもしていない家に例える事が出来た。私達は、預言は成就しなければならないが彼を失う訳にはいかない。

2010/07/24
ねこバスって発明?それとも発見?あの妖怪は発明のはずなんだけど、ねこの妖怪がバス見て遊んでるんだから、宮崎駿からすれば発見のような気もする。

2010/07/27
左遷させられた課長の敵を取るため、部長直属の大ブロジェクトをこっそりと破滅に追い込むプログラマ達の一年を描いた現代版赤穂浪士。年末ロードショー決定!

2010/07/31
さて、俺は約束通りにこの場所から抜け出さなければならない。昨日の夜、彼らとは打ち合わせた。この計画は、実はかなりの前から心の内にあった。それを全員に打ち明けたのは昨日の事だった。そこで全員を説得する自信はなかった。彼はすやすや寝ていた。

2010/08/4
安全を全面に押しさえすれば、なんでも通ると思ったら大変に間違っているのだが、これが結構通っちゃうのがこの仮の世ですかねぇ。落ちぶれたもんだよ。

2010/08/24
人生のおいて21回狂うと誓った松陰先生は狂ってない。晋作達を難詰したが彼らも狂う事なく事業をなした。だが、彼らがやった事は狂ってるとしか思えない。

2010/08/24
引きつけるだけ引きつけて二度と手を出したくなくなるような傷を負わせる。それがしんがりの務めよ!

2010/11/10
僕たちだって星だいと人工衛星が怒っちゃいますよ!

2010/11/18
ルールが通用しない奴には更に手を焼く。昔から対処法は変わってないだろう。殺すか飼うか太鼓持つか逃げるか祈るかだ。自然と似てるな…

2010/12/03
五億年もお隣りさんどうしなのに、今頃になってオオすげーとか言われると、宝くじ当たって急に連絡して来た遠い親戚と同じだなと感じます。

2010/12/03
そうか倫理なんてもう死んでいるんだ。なのにその亡骸を抱えたまま話し始めるから答に詰まる。その子もう死んでますよ、と気の毒で指摘出来ないか、まだ生きているのかもと、どこか信じてて別の言葉を探しに行くから。

2010/12/06
はやぶさに熱狂したそのルーツはマジンガーの最終回にある。最後にズタボロにされなきゃ納得出来ない文化があそこで生まれた…あれアトムも…あれ信長もか…

2010/12/23
放棄するのはいい。自ら役に堪えないと思うのはいい。だか放棄しながらそこに居座り続けるのなら、敵かもしれないよ。せめて追い越し車線は走らないで。

2010/12/28
僕を彼として売れ。幸い弟子以外の誰もあのお方の顔は知らないのだ。普段はあのとおりの痴呆であるから誰も彼と気付く事はない。だからお前が彼らの所に行き、そして僕を売れ。僕は喜んで裁きを受ける、あのお方の変わりとして、それしかない。さもなくば、全員が捕まる事になる。

2010/12/28
これは僕のおじいさんから聞いた話しだ。じいさんは、昔から歌舞伎が好きでよく見に出かけた。ある日、花形の出来が良くなくて途中で帰るかと思ったのに、最後まで目が離せなかった事があったそうだ。そういう公演では何日か後にもう一度見ると見間違えるくらいによくなっている事があるそうだ。

2010/12/30
少し前にバネが外れスライドの度にガシャコと変な音がし始めた、そして、今度は、液晶。たかがメインモニターをやられただけじゃないか!と思ったが実質、電話の受けしかできない。

2011/01/21
何事も例外扱いにすりゃそれでいいんですよ。莫迦には務まりまりゃしませんがね。

2011/01/28
怪獣が実在しても自衛隊で十分撃退できるが、ゴルゴ13だけはどうも手の打ちようがない。

2011/01/28
中立だとか味方のふりしても敵なんでそのつもりで。

仲良しだとか良好な関係なんて上辺だけ敵なんでそのつもりで。

味方にすればこんなに頼もしい人は敵なんでそのつもりで。

自分の判断の半分は敵を利する。自分の中の半分は敵なんでそのつもりで。

2011/01/29
おじいさんは山に芝刈りに行きました。すると山の上からどんぶらこどんぶらこと精霊が血だらけで流れてきました。お前が打ったのはこの金のボールですか、銀のボールですか?

2011/01/30
革命の引き金を引くのは常に倒される側なのだ。焼身自殺がきっかけは間違いないが、彼から没収した警官こそが引き金を引いたのだ。そうとも知らずに。

2011/02/3
相撲取りの練習の半分はそれが自然と流れるようにする事で、道場破り対策には専門の幕下がいて、彼らはある条件で戦えば横綱より強い、と言うような話しが好きなの?

相撲取りの練習は、技が身に付いて自然と繰り出せるようになるまでやるし、道場破りが来たら幕下が頭下げてお引き取りしてもらうし、ゲームで横綱より強い力士は幾らでもいる。

2011/02/6
蒸気機関がスチームを吐き始めカチカチとリレーが鳴り出した。我々が誇る最先端の電子計算機が起動する。文字がタイプされ始めキーボードに指を置く。緑色の電球が点灯しジョブスタート。さて今日の仕事が始まる。深夜零時。

2011/02/6
いやん、トルストイの旦那はん、もうえらい面倒くさい男やわ。

2011/02/9
彼が森の外れを歩いていると、不意に何かが聞こえてきた。おォ?SSm?何か響く音でよく聞こえない。次の日も聞こえてきた。RぉBbVm〈?何かと思い音の方へ近づいてみると、床屋が

2011/02/11
批判する必要は一切ない。生き残りを賭けて必死なだけだから、よく見て捕虜にするか殲滅するか決めるのは此方の権利だ。

2011/02/11
お客様、お客様、これ以上好き勝手言われますとお客様属性を外しますよ、そしたら営業妨害、損害賠償で徹底的に追い込ませていただきますが、そちらでよろしかったでしょうか。

2011/02/16
このむしけらども、の前に置く良い言葉はないものか。

2011/02/23
艦長、この菅はもう持ちません。護衛はどうした?四大新聞社は既に大破、戦闘能力皆無。エンジン室!経済は出力低下なれど航行に支障なし。参謀!官僚はもはや使い物になりません。舵をやられました、このままでは外国からのいい鴨です。この菅をもはやこれまでてす。退菅を…

あ、小沢艦が単独で敵鑑に…無電「敵の正面からの攻撃は僕が引き受けるから今のうちに戦線を立て直しなさいよ」艦長、彼は死ぬ気です。小沢…我が戦闘菅はこれから公明塔の砲台を全力で撃破す。返す刀で社民島を砲撃、焦土とす。援護のため新人艦を囮とする。指揮は原口にさせよ。岡田、Z旗を掲げよ!

艦長、敵が解散総選挙砲発射、命中します。馬鹿な!我が方被害甚大!あっしかし敵方にも破損多数。そうだろう、こんな至近距離て打てば共倒れになる、それさえわからんか。艦長、菅が沈みます。敵旗艦も沈没しています。戦党菅の時代が終わる。この海にもう覇者はいない…

2011/02/28
最後の詰めで甘ちゃんと発覚しそう。

2011/03/7
どうも力学的に信用に値しない。裏も大した話ではあるまい。なら放り出したのだ。つまり今後は相手にする相手ではない。

2025年1月11日土曜日

性能の違いが戦力の決定的差ではない

しかし、あんな僻地のサイドに連邦のV作戦の基地があるんでしょうか?
確かにシャアは偵察を命じたのである。

シャアは艦隊司令の役職にあったから、艦隊に命令する権限がある。その彼が、作戦終了時に補給を必要とするぎりぎりの状況にあっても帰還よりも優先すべき事項があった。サイド7への偵察である。

戦いとはいつも二手三手先を考えて行うものだ。
とドレンにうそぶくシャアが偵察の目的を二次、三次の複合構造で考えていない筈がない。作戦の最低限の目標とは、最優先の目的である。それが叶わない時には、第二、第三と設定する。そしてどういう時に作戦を中断するのか、どう撤退するかまで構想して命じているのである。

間違いなく、目的は情報収集にある。求めるのは情報の質。クラスBの100の情報はクラスAのひとつに如かず。数は質の後でよい。

それがあって初めて正確に敵戦力を分析する。エンジニアたちに技術レベルを詳細に推測させられる。こういった情報があって初めて戦略が立てられる。

だから情報入手において、開発中の新兵器を破壊するのは必須ではない。破壊は作戦には含まれない。破壊が目的ならそう命じる。偵察という名目ではどうやらそれが伝わらなかったらしい。

恐らくそうなのだろう。でなければジーンが破壊工作に打って出た理由が分からない。彼の行動は、明らかな命令違反である。だが通信記録を見る限りデニムがそれを強く抑止した形跡もない。デニムまでもが現場の判断でそれを是としたのだ。

偵察だけならザクを持ってゆく必要はない。わざわざ発見される確率を高くする。写真撮影だけ済むなら生身のまま侵入しても可である。

確かに投入できる特殊部隊はなかった。だがそれならシャア自らが行けば済む話だ。実際、後日、彼自身が侵入して情報を得ている。

ではなぜわざわざザクでの出撃を許可したのか。既に物資が不足している状況で、長期的な偵察行動は難しかった。よって短期間のうちに侵入し偵察し脱出する必要があった。その為には強襲し混乱の中で、可能なら部品や機体を分捕る、これがベストと考えた。

シャアの意図はそこ迄で、敵防衛隊に対してもザクがあれば対抗できる、それでも、新人であるジーンを出撃させたのである。そう難しい作戦とは考えていなかった。

だが、戦地で興奮したのか、ジーンは敵施設を破壊するのに熱中してしまった。シャアの意図を完全には理解していなかった。デニムでさえ理解に不足していた。戦場は臨機応変とはいう。しかし、それを的確に出来る者は少ない。

あれが戦艦に搭載されたら大変なことになります。
ジーンのこの指摘も、シャアはそんな事を考えてはいなかった。これは単機、二機の問題ではない。連邦も戦艦に載せるくらいは考えているだろうよ。当然だ。問題はどういう載せ方をするか。それが何機になるかだ。アバオアクーへの反撃はある。そこを読み違うと防衛が立たない。

V作戦の情報収集とは、開発中の兵器にどのような戦略を盛り込んでいるか、それを見極める事だ。どのような能力を与えているか。連邦が量産間近ならここで一台二台を破壊しても仕方がない。

通常、軍隊では上官の命令もなく勝手に動けば、軍法会議である。それは如何に愚鈍な上官の命令であってもである。これに叛意する事は人道に係わる戦争犯罪行為でない限り認められない。

上官以外の命令を受ける事も許されない。軍隊とは厳密に結びついた命令系統だから、もし無能な上官がいても、それは軍組織の問題であって、作戦上の問題ではない。

ジーンはどうやらシャアを真似しようとしたらしい。ジーンがシャアの何を知っていたかは不明だが、シャアが命令違反で出世した訳ではあるまい。だが、噂には尾鰭がつく。

軍がそんな事を許すか、それさえ疎かになってきている。ジオンの新兵教育はここまで劣化してしまったのか。シャアはそう思わざるを得なかっただろう。軍は大人の遠足ではない、わたしは幼稚園児を引率する先生ではない、そう思ったであろう。

ジオン全体が急速に衰えつつある、それをシャアは自覚したと思われる。この状況はまずい。そしてV作戦は連邦にまだ反撃する意志がある事を示している。

確かにシャアは作戦を命じた。だが、直接、全員に作戦意図を説明した訳ではない。自分が付き添えば結果は変わっていただろう。だが、全ての作戦に自分が参加しなければならないのか。そんな事できるはずもない。

そんな不可能を前に何を後悔しよう。シャアがドレンの前でうそぶく。年上のドレンに気を遣わなかった筈がない。作戦立案にはドレンも係わっている。そしてドレンもまたシャアをきちんと立てる優秀な士官だ。

認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを。
今回の失敗は誰のせいにするのか。作戦を立案した部下でも、人選をした部下でも、戦死した部下たちでもない。勿論、シャアでもない。

今更一台二台を破壊する事が戦局に影響する訳がない。この当たり前の事を兵たちにきちんと説明しなかったのがシャアの落ち度なのか。

どこの世界に艦隊司令官みずからが、偵察の根本をこと細かく説明するか。もう少し説明する事は出来ただろうが、それが落ち度か。

ジーンが突出したのはどこかでシャアを嘗めていたのだろう。その理由がシャアの若さなら、シャアを艦隊司令官にした人事局の瑕疵だ。そんな事まで知った事か。軍全体が衰えつつある。個人の力でどこまで抗えるか。

シャアがもう少し年配者だったら、この作戦は上手くいったのだろうか。どうもそうとは思えない。それならそれで別の何かが起きていただろう。そうして似たような失敗をしていただろう。ともあれ、この作戦はシャアによって命じられ、シャアの名で実行された。

自分が舐められたのが若さ故なら、すべては自分の若さゆえの過ちだ。さっさと二階級特進でもしてやってくれ。

モビルスーツの性能の違いが戦力の決定的差ではないということを教えてやる。
だが、この失敗をそのままにしておく事はできない。新型モビルスーツの性能を知る事、更には部品を入手し連邦の生産工場を突き止める事、そこを破壊する事。

サイド7に侵入したが写真撮影だけでは足りない。実際に攻撃をかけてみる。そうして情報を入手してゆくのだ。戦力の決定的差は、装備にあるのではない。情報の差だ。

そうして、戦闘の結果は散々なものとなった。得られた情報は余りにも彼我の差を見せつけている。

当たらなければどうという事はない。
どうやら連邦は戦艦と同等の戦力をモビルスーツに詰め込んだらしい。重装甲に高エネルギー砲を搭載させている。このエネルギー供給システムはどうなっているのか。

確かにアムロはシャアを倒す事はできなかった。当たらなければ倒せはしない。だがアムロを倒す事も出来なかった。

当たっても倒す事が出来ない。こんなものが実戦に配備されたらザクでは対抗できまい。

20分後には大気圏に突入する。このタイミングで戦闘を仕掛けたという事実は古今例がない。地球の引力に引かれ大気圏に突入すれば、ザクとて一瞬のうちに燃え尽きてしまうだろう。しかし、敵が大気圏突入の為に全神経を集中している今こそ、ザクで攻撃するチャンスだ。第一目標、木馬、第二目標、敵のモビルスーツ。戦闘時間は2分とないはずだが、諸君らであればこの作戦を成し遂げられるだろう。
大気圏でホワイトベースに攻撃をかけるとき、シャア自身が作戦について全員を前に詳細に説明する。同じ失敗はしない為である。

シャアは連邦の戦艦が大気圏に突入しようとしているのに驚いていない。シャアはザンジバルの存在を知っていた証左だろう。

とは言え、ジオンよりも先に実戦に投入した。それがどこへ向かうのか。なぜ地上に降りるのか。

シャアはこの時、兵士たちには破壊を命じている。そう説明する方が兵たちが余計な誤解をしないで済む。破壊すれば部品を入手できる。その為に自分も戦場に出る。

ザクには大気圏を突破する性能はない。しかしクラウン、無駄死にではないぞ。お前が連邦軍のモビルスーツを引き付けてくれたおかげで撃破することができるのだ。
死にゆく兵に向かって作戦は失敗だとは言える訳がない。言葉を掛けながら、シャアは明晰に次を考えていた。

連邦の意図は何か。案外、シャアを引き付けておくための囮かも知れない。だが、それを承知しても追跡を止める訳にはいかない。最終的には連邦の生産拠点を叩く必要がある。

戦争の最後は数が決定する。それを支配するのが情報なのだ。

シャアは地上に下りた。ジオンは連邦の反撃作戦を掴む必要がある。その為に連邦の深部にまで入り込もう。シャアと同じ目的で動いているジオン軍人なら何十人もいる。

連邦としては、それこそが目的であった。ジオンの有能な軍人の目を地球に引き付けておく。例え地球上の基地が破壊されようが構わない。ジオンが地上基地への大規模侵攻する。V作戦の本当の目的は、そこにある。最新鋭のモビルスーツが拿捕されても構わない。プライオリティの最上位はそこにはない。

一握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して五十余年、宇宙に住む我々が自由を要求して何度連邦に踏みにじられたかを思いおこすがいい。
既にスペースノイドという新しい人種が生まれている。生まれて死ぬまで宇宙で暮らす新しい世代が生まれている。

そういう者にとっては地球とは重荷であろう。帰ると言う時に地球ではなく宇宙を想う者たちがいるのだ。

それはシャアにもザビ家の人にも、ジオンの人にも、宇宙移民の人たちにも当然の事であった。ならばこの独立戦争は何なのか。宇宙資源の採掘権を巡る争いである。

地球から見れば資源採掘の中心が宇宙に移る事は避けえない。その時に何の権益も持たないなら地球は立ち枯れる。故に地球政府の中心も宇宙に移る事は必然ではないか。故に、それを隠し通さなければならない。今は未だ。

においだな。キシリアの手の者か?
シャアはこの先でジャブローの奥深くにまで侵入する。彼はそこを何らかの拠点と見た。左遷とされているが、実際にはコンタクトがある事も、その先で情報部として活動する事も。ジオンが必要とするものが何であるか。シャアはそれを良く自覚していたから。

戦いはこの一戦で終わりではないのだよ。考えてみよ、我々が送り届けた鉱物資源の量を。ジオンはあと十年は戦える。
何時の時代も、戦線を拡大しようと試みる連中はいる。時に政府の命令や条約を無視してでも。だが、彼らも軍紀には何ひとつ違反していないと主張する。

そういう者たちを銃殺もせずに重用する。名誉の戦死をさせてやる。そういう軍は政府の枷を無視し先例に続こうとする。

そうして軍は突出し、政府は制御を失い、遂には軍規も失われ、末端で兵士たちがどれほど労力を費やしても倒れてゆく。軍規はそれを防ぐためにある。

ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい。
シャアは結局は失敗した。連邦の反撃を食い止められなかった。彼の直観は地上を指していたが、実は宇宙にあった。それに気づいた時にはもう遅かった。

シャアに打つ手はなく、ただひとりの兵としてパイロットとして戦争に処した。

それでも最後にキシリアを討った。彼の目は既に戦後を見ていた筈である。ジオンは敗戦した。しかしスペースノイドの独立運動がここで潰える訳ではない。

地球政府は宇宙に拠点を持った。それと対抗するには、その秘密を深く探る必要がある。

その為にはザビ家のジオンが残っていては不都合がある。自分もここで戦死する事になるのだ。わたしを良く知る者が生き残っているのはまずい。

2025年1月10日金曜日

お餅とヘイト

さて、みなさん。昨日まではこの食べ物のことを何と呼んでいましたか?

お餅でーす。

そうですね、しかし、今日からはこれをお餅を呼んではいけません。

えー。なぜですか?

これは人を殺す兵器だからです。

え、大昔からお餅ってあるんじゃないんですか?

その通りです。ですが、巧妙にもこの物体は大昔からその実態を隠してきたのです。つまり、自分自身が兵器である事を。

最初におもちをつくった人が悪かったのですか?

そうなのです。大昔から人類を滅ぼすために仕組まれたものだったのです。

漸く人類はその英知によってこの物体が殺人兵器として開発されたものである事を発見したのです。

じゃ、もうお餅を食べられなくなるんですか?

いいえ、政府の発表によれば、我々もこの敵兵器に負けている訳にはいきません。決戦を挑む事になりました。

どうすればいいですか。

憎しみと共に食べ尽くしてやりましょう。

わーい、子供も戦いに参加していいんですね。

はい、みなさん、こちらに注目。この戦いには絶対に勝たねばなりません。そのためには餅との戦いで決して負けてはなりません。

はーい。気を付けて食べ尽くしま-す。

ですが、これをお餅と呼ぶ事は政府によって禁止されました。

何と呼べばよいのですか?

政府の発表ではこれがこの物体の正式名称です。

「主アミロペクチン流澱粉固形化物加熱柔軟膨張方式気道充填方法ゼロ距離型口中専用対人兵器」

略して「主澱加熱膨填中兵」、偉い大学の偉い学者さんがよくよく考えた呼び名です。

先生、でも読み方が分かりません。

「おもでんかねつぼうてんちゅうへい」です。

まったく意味が分かりません。

そうですね、ですから、更に更に略す事が許可されて通達されています。

なんて言えばよいですか?

「おもでんちゅうへい」、乃ち「おもち」です。

いいですか、みなさん、憎しみと軽蔑を込めてこれを呼んでください。

これをなんと呼びますか?

おもちー