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2016年8月7日日曜日

柊様は自分を探している。 - 西森博之

何気なく面白かった。今日から俺は!!、天使な小生意気などステレオタイプのほとんど似たような作品であるにも係らず、またも面白い。このパターンに飽きはないようだ。

この感じはどこかにあったと振り返ると、たぶん本宮ひろし。男一匹ガキ大将、硬派銀次郎、俺の空、さわやか万太郎... こういう作品にあるのは、人が持ち得ざる才能に対する優越感だろう。

困難が困難にならない、苦悩が苦悩にならない。問題は圧倒的な力学で解決される。これはカタルシスと全く同じ構造に見える。カタルシスは何度味わっても快感である点は、食事と同様の肉体的快楽に近い。

という事はそれは脳の神経を直接的に刺激して興奮させているはずで、これは脳の問題である。気持ちよくなる回路を漫画で刺激する。そこにベーシックな脳幹や深層心理も含めた精神性があって、脳にはそういうものに反応する回路が備わっている。それは長く生存競争に晒されてきたこの星の生命の宿命でもある。

これに合致するものは、同様のパターンが何回繰り返されても面白いと感じる。そして、その根底にあるものが暴力的機構の支配、制御された暴力であることは多分正しい。そういうものの正しさを人間は信じている。

従来、劇画の領域であったものが、こうしたライトな所にまで顔を覗かせている。そこが面白い。

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