女子高生だった私が目覚めると…何故か異世界で「蜘蛛」に転生していた
という説明だけでは何が面白いのかはよく分からないはずだ。もちろん、女子高生という設定にあまり意味はない。ただ、この漫画では話し言葉が女子である事が重要な気もする。もし男子高校生ならここまで面白くはないと思う。
それは例えば蛙や蜥蜴をちゅうちゅう食べるときの「まずい、苦い」というセリフ。もしも男子だったら説得力がない。女子だから、それでも食べ続けるバイタリティーに納得力がある。
この漫画はサバイバルゲームである。賭けるのはコインではない。命。そんな危機の時の開き直りは、出産を迎えた女性のそれに近いのか、腹を据えた豪胆さ、生命力、豊饒の神が女性である理由が分かった気がする。
危険を克服しながらダンジョンの謎を解いてゆく。この謎が重要で、この次に何があるのかと思わせる作品は、面白さをも凌駕する。謎があれば、もう面白くないと思っても読まずにいられない。美味しければ必ず売れるとは限らない。売れるなら何かがある。
なぜこんな世界があるのか。その先に何があるのか、何を用意してくれているのか。先に進むためには主人公が必要だ。死んだら困る。僕らは彼女に連れて行ってもらうしかない。彼女が生き残り繁栄するのを見たい。
手だしは出来ないけれど、これは神と同じ視線か。それとも、DNAとなって彼女という乗り物にいるようなものか。DNAに気持ちがあるなら、こんな感じかも知れない。
蜘蛛ですが、なにか? | 小説家になろう
0 件のコメント:
コメントを投稿