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2015年1月24日土曜日

優秀さを定義する

優秀とは万能の事ではない。日本の官僚は優秀だと聞く。

官僚とは法に基づいて行政を進める人である。それは予算の執行でもある。だから、官僚が優秀であるとは、まず法に基づいて行動できる人を意味する。それによって昨日と同じ明日が提供できるのである。

公務員の仕事とは小さな問題をひとつひとつ現行法の中で解決してゆき、大きな問題が起きれば立法へフィードバックする。

故に、官僚は外乱を得意としない。如何なる外乱であれ、現行法を使って解決しなければならない。現在に変化を取り込んでしまえる人を優秀な官僚と言う。そしてこの世界のほとんどの問題はそれで十分なのである。

今日と同じ明日が来ない時にもどうすれば昨日と同じ明日にできるかと考える。この強い復元力が官僚機構である。一度動き始めたプロジェクトが止まらないのもこの復元力の現れだろう。

この強靭さが社会を安定にする。同じ明日にしなければならないから変化しなければならない時もある。それが出来るのは人間の優秀さだろう。

革命とは官僚組織を作り替える事だ。そこから暴力性を排除したものが選挙だろう。選挙は多くの信任を得た方を勝利とする。多くの支持を得られるのなら仮に革命をしても勝利するはずだからである。

ひとりひとりが殺しあって残った方を勝利とする。革命の成功は多数の支持で決まる。ならば、多数の支持を得られかを知るのに革命は必要ない。選挙の基本的な力学である。

生命は環境で進化する。ある方向に適応して進化すればするほど、異なる変化には弱くなる。それに対して地球が取った戦略は、生命の自然淘汰だ。つまり絶滅という方法である。

ある環境に適応した種はその場所を制覇する。その環境から追い出されたものは、異なる環境で生きることになる。

そこで新しい環境への適応が始まる。そこには何らかの進化圧が発生するだろう。例えば、樹上での争いに負けたサルが平原へと追いやられた。それが人類の始まりだろう。恐らく進化は負けた側に起こる。

優秀さとは現在の環境への適用である。現在に合致する事である。だから優秀さとは環境を定義する事である。

環境をよく分析し研究すれば、その環境が求める優秀さというものが見えてくる。

それによく適応するなら現状を維持する力が強いと言える。環境が変化すれば新しい環境に適応した別の優秀さが生まれる。

何億年も前の姿を今も変えぬ生命も居れば、激しく進化し化石でしか見られない生命もいる。環境とそれに適応する生命の変化は今も途絶えぬ。どのような姿であれ同じ時代を生きる全ての生命が進化に費やした時間は同じである。

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