1+(2+3) = (1+2)+3 = 1+ 5 = 3 +3 = 6
同じ数の足し算
2+2 = 2+2
同じ数の足し算の場合、順序を入れ替えても式は同じ形をしている。例え入れ替えても誰も気付かない。だから入れ替えても答えは同じだろうと言える。
違う数の足し算
数には、基本となる数がある。普通は1が基本の数になる。この数さえあれば、自然数の全部を表す事ができる。1+1=2 1+1+1=1+2=3
だから、次のように足し算は書ける。
1+(2+3) = (1+2)+3 = 6 1+((1+1)+(1+1+1)) = (1+(1+1))+(1+1+1) = 6 1+1+1+1+1+1 = 1+1+1+1+1+1 = 6
こうして足し算の順序を変えてもすべてを1で表現したら同じ形になった。これはどの順序で足しても同じ形の式になるのだから、順番を入れ替えても同じものと言える。
図形にして見ると、足してゆく順序を変えても長さが変わらないのは、どの順序で数えても数が変わらないのと同じだ。
足し算の順序は数える順番を変えるみたいなもの。
負の数
負の数は引き算で作れる。2-1 = 1 1-1 = 0 0-1 = -1 -1-1 = -2 1-1-1 = 1-2 = 0-1 = -1
掛け算や割り算でも作れる。
1*-1 = -1*1 = -1 -1/1 = -1*(1/ 1) = -1 1/-1 = 1*(1/-1) = -1
引き算
引き算は足し算である。次の通り。2-1 = 2+(-1) = 1 1-1 = 1+(-1) = 0 0-1 = 0+(-1) = -1 -1-1 = (-1)+(-1) = -2 1-1-1 = 1+(-1)+(-1) = 1+(-2) = 0+(-1) = -1
足し算は順序が変えられるが、引き算は変えられない。
引き算 1-2 = -1 2-1 = 1 足し算 1+(-2) = -1 (-2)+1 = -1
なぜ引き算は入れ替えてはいけないのか。
1-2 = 1+(-2) = (-2)+1 = (-1)+(-1)+1 2-1 = 2+(-1) = (-1)+2 = (-1)+1+1
式を1だけで表現してみると + と - の数が違うのが分かる。数をひっくり返しただけのつもりが、プラスとマイナスの数が変わっているのだから、引き算の式を引っ繰り返すとふたつの違う式になっている事が分かる。
引くのを図形で表現してみる。足すは赤を塗る、引くは白色を塗るとして表現してみる。この時、赤は右側に、白は左側に向かって塗ってゆく(この方向の違いが足し算と引き算の違いでもあるし、正の数と負の数の違いでもある)。
前の色を違う色で塗るのだから、塗る順番が変われば結果も変わる。白の後に赤を塗るのか、赤の後に白を塗るのかでは、結果が違うのは当たり前と思える。
マイナスの数を含む足し算で表現してみる。
1+(-2) = 1+(-1)+(-1) (-2)+1 = (-1)+(-1)+1
すると + と - の数は変わらない。同様にマイナスの数だけの引き算でも + と - の数は変わらない。
-1-2 = -1-1-1 = -3 -2-1 = -1-1-1 = -3
ここで -2 を次のように考えてみる。
意味 | 動作 | イメージ |
---|---|---|
前の数から 2 を引くの意味 | 引き算 | - 2 |
数字の 2 にマイナスの記号が付いたの意味 | 負の数 | -2 |
マイナス記号が 2 つあるの意味 | 1を二回引く | - - |
マイナス記号が引き算の文字なら、数字だけを入れ替えても良さそうに感じる。だけど負の数であったり、二回引く動作の意味なら、マイナス記号と2の数は切り離して考えてはいけない気がする。
1-2 … 1から2を引く引き算。 1+(-2) … 1 に (-2) を足す足し算。 1 - - … 1 から (-1) を二回引く操作。
式をひっくり返す時、数だけを移動するから間違える。数と符号は一緒にして考える。符号も数と一緒に移動すれば順序を入れ替えても同じ答えになる。
1-2 = -2 + 1 = -1 … 符号と数の両方を入れ替えたから答えは同じ。 2-1 = 1 … 数だけを入れ替えたから答えが違う。
-2とは2を引く意味ではなく、マイナスという符号が2つあるみたいな感じ。
掛け算
掛け算を足し算として展開してみれば順序を入れ替えても式が同じと分かる。2*3 = 3*2 = 6 2+2+2 = 3+3 = 6 (1+1)+(1+1)+(1+1) = (1+1+1)+(1+1+1) = 6 1+1+1+1+1+1 = 1+1+1+1+1+1 = 6
掛け算を図形として見ると、掛け算の順序を入れ替えた形は、単に回転させただけと同じである。どれだけ傾けたり回転させても形は同じなのだから同じものと分かる。ついでに、回転させてもし形が変わるような場合があれば成り立たない事も分かる。
掛け算の順序は回転させるみたいなもの。
割り算
分数や少数は一種の割り算だからここで一緒に考える。割り算は掛け算になる。
1/3と1/2の分母を1/6で揃えて(通分)次のような足し算にする。 2/3 = 4/6 = 4*(1/6) = (1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6) 3/2 = 9/6 = 9*(1/6) = (1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)+(1/6)
割り算を足し算にしてみると、ふたつの式が違う形が分かる。だから割り算の順序も変えられない。
ここで引き算と同じように、割り算の符号(÷)ごと順序を入れ替えたら、答えは同じになるのではないか、と疑問が湧く。引き算は(-1を引く)だったし、負の数だったので理解しやすかった。では割り算の記号はどういう意味だろうか。
ここで / 2 を次のように考えてみる。
意味 | 動作 | イメージ |
---|---|---|
1を 2 で割った意味 | 割り算 | / 2 |
数字の 2 に÷の記号が付いたの意味 | 分数 | 1/2 |
割る記号が 2 つあるの意味 | 1を二つに分割する | / / |
1/2 … 1を2を割る割り算。 1*(/2) … 1 に (1/2) を掛ける掛け算。 1 / / … 1 をふたつに分割する操作。
分割といえば、普通はふたつに分割である。だから / がひとつがあれば2つに分かれると考えても良さそうだ。だが、これだと1つに分割という考え方が表記できない。また3つに分割するのも表現できそうにない。「2つに分割する」をどう組み合わせても3つに分割できそうにない。これは2も3も素数だからである。
割り算は、1を割るが省略されている形として考える。
2/3 = / 3 * 2 = (1/3) * 2 3/2 = /2 * 3 = (1/2) * 3
すると次のように記述できる。
2/3 = 2*(1/3) = (1/3)*2 = (1/3)+(1/3) = (1/3)+(1/3) + (1/3)-(1/3) = 1 - (1/3) 3/2 = 3*(1/2) = (1/2)*3 = (1/2)+(1/2)+(1/2) = (1/2)+(1/2) + (1/2) = 1 + (1/2)
なぜ引っ繰り返したら掛け算になるのか。それは割り算が前の値を割るという意味ではなく、1をその数で割った値を掛けるという意味を持つからだ。
2/3 = 2 * (1/3) = (1/3) * 2 = (1/3) + (1/3)
なお 1/3 はこれ以上どうやっても同じままである。
1/3 = 1 * (1/3) = (1/3) * 1 = (1/3)
分数でいえば、1/n という形は分数の基本の数だろう。
2/3 は以下のように考える事ができる。
意味 | 動作 | イメージ |
---|---|---|
2を3で割った意味 | 割り算 | 2 / 3 |
(1/3)が 2 つあるの意味 | 分数 | 2/3 |
割る記号が 3 つあるの意味 | 1を3つに分割したものを二倍する | (1/3)+(1/3) |
割り算は1で割ってから掛けるみたいなもの。
まとめ
足し算、引き算、掛け算、割り算の順序を入れ替えるには、数だけではダメで、符号も一緒に入れ替える。足し算、掛け算は数だけを入れ替えても結果が同じだから、数だけを入れ替えると思っていたが、足し算、掛け算も実際には符号毎入れ替えていたのではないか、そう考える方が理解しやすいと思った。
基本的な操作
演算 | 記号 | 操作 |
足し算 | + | 1を足す。 |
引き算 | - | -1を足す。 |
掛け算 | *,× | 同じ数を足す。 |
割り算 | /,÷ | 1/nを足す。 |
演算子はある操作を意味する記号であり、数はその記号(符号)を何回実行するかを示しているとも考えられる。5を一回足すと考えてもよいし、1を5回足すと考えてもよい。
(+ 2 - 3) * 4 / 5 を説明する。 1. 0(省略されている場合の基準点)に対して1を二回足す。 2. ここから1を三回引く(-1を三回足すでも同じ)。 3. (2-3)の値を4回足す。 4. (1/5)を(2-3)*4の回数足す。 (1/5)を-4回足すとは -(1/5)-(1/5)-(1/5)-(1/5) = (-1/5)+(-1/5)+(-1/5)+(-1/5) = -1*((1/5)+(1/5)+(1/5)+(1/5)) = -1 * (0.2+0.2+0.2+0.2) =-0.8
ほら、すべてが足し算になった。
[注意]
ここに書いた内容はこう解釈すれば理解しやすくなるのではないかという一例であって、このような解釈は必須でもなければ、定理でもない。あくまで躓いている人がこのようにすれば理解しやすくなるかも知れないという一案である。これは絶対でも、完全でも、必定でもない。
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