stylesheet

2010年7月31日土曜日

秋 - 小林秀雄

よく晴れた秋の日の午後、
から始まる、奈良の二月堂あたりをぶらぶらしていた時の随筆だろう。

若き日の思い出を語り、プルウストについて語る、プルウストについての連想は、ただ圧巻だと思う。プルウストについて書かれたかのように見えるが、このエッセイはそんな所にない。

君ならよく知っているよ。

そう牛に向かって言う時、プルウストの時間は失われて、はっきりとした情景が浮かぶ。

道ばたの石燈籠にに牛がつながれていた。いい黒い色をして、いい格好をしている。コーンビーフになる牛は知らないが、君ならよく知っているよ。日本人は千年も前から君を描いてきた。

0 件のコメント:

コメントを投稿